第28話 電話凸

俺は眠気と、何とも言えないもどかしさに囲まれながら、聞いていたーちゃんとロシア人だった

ーあんな人脈凄いな

ー自分もそういう人としゃべりたい


「疲れた」


リューリクは面白いし、話を盛り上げてくれる。

実際質問コーナーも盛り上げてくれた。

日本とは違った文化って言うのもあって、楽しい。


ただ文化が違うので、テンションも違って疲れる。


「まあ、いい人だし良いか」


あの人との絡みはあんまりないけれど、

【world war】内でのコラボくらいならしてみたいと思ってる。


「さて、急にラッシュ来てるなぁ」


ーまじか

ー次はだれだ

ー海外勢だと笑う

ー誰でも面白い


さっきまで電話のくる気配が全くしていなかったのに

不思議だ。


「先言います。海外の人です」


ー!?

ーあ

ー翻訳誰か頼んだ

ー翻訳できるほどの学力はない


皆の気持ちと俺の気持ちが一致したところで、承諾ボタンを押した。


「えっとこんにちは」


『hello.』


ー声キレイ

ー聞いたことある

ー分かった

ー英語ならわかる


「name please」


俺も正直英語は使えない方に傾くので質問するのにも必死だ。


『I‘m AQUA』


ーアクアって言った!?

ーすご!!

ーあの人か


AQUA

簡単に言えば【world war】ヨーロッパ1位

俺の中では女性プロゲーマー1位だ。

圧倒的なプレイスタイルを持っていて、

第一回世界大会では2位を取っている。


ちなみにフィンランド人らしく、英語は公用語ではないらしい。

化け物だ。


「というわけでアクアさんに来ていただきました!!」


ー電凸される人意味不明

ーもう誰来ても驚かん

ー英語はぎり…


『Congratulations on reaching 900,000 subscribers!』


何言ってるかよくわからないが、

おそらく90万人おめでとう的な事だろう。


「Thank you」


たった二語なのにここまでカッコいい言語になるんだよね。

まあ聞き取れてないけど。


『ガンバッテ』


「ありがとう!!」


少しとはいえ日本語で言ってくれるとすごくうれしくなる。

AQUAさんは声が透き通っている感じがして良い女性の声なので

余計にうれしくなるのかもしれない。

 




その後すぐにAQUAさんは退出した。

おそらく英語だと迷惑をかけると思って、切り上げてくれたんだろう。

神様だ。


――――――――――――――


その後もいろんな人が来てくれた。

あまり絡みのない方や初対面のVTuberさんまで来てくれた。

もちろんチームメンバーも来てくれた。

endmやwartの声を聴くと、なんか戻ってきた感じがした。

lucusはうるさかった。


でも海外の人たちも来てくれて、

現役を終えた後も愛されてるんだなぁと思った。


そして時間ももう1時を回ろうとしかけていた。

電話もだいぶ落ち着き、スパチャなどに付いてた質問を終わろうとしてた時だった。


「あ、電話来た」


ーおっと

ーラストかな

ー誰だ

ー海外勢だと面白い


「えっとこれでラストにします」


流石にこれでキリがいいので、終わりだ。

ただ電話相手に連絡先を渡した記憶がまずなかった。

しかも絡みがほとんど、いや無いに等しい人だった。


「はい、では名前からどうぞ」


俺は通話承諾ボタンを押して、質問を投げかけた


『えっと、HESKAL所属のプリーム・アラモートです』


ーはw?

ー来たww

ーktkr

ーやばw

ーなんでだよ


俺もなんでだよと思った。

だってまずblancとの連絡先を持ってないはずだ。


「あの~、まず誰から連絡先もらいました?」


『春陽からもらいました』


その線だったかぁ。

春陽さんとはもしかしたらコラボするかもと思って交換していた。

まだ出来ずじまいだが、企画の提案に関してはよく話す。


「なるほど…」


いや、もう何も言うことがないな。

しいて言うならまだ起きてたんだ…っていうことくらいだけど。


『90万人登録者達成おめでとうございます!昔から応援してました』


やっぱキャラが違うなぁと思いつつ、ありがとうと述べた。

昔から応援していたのは知っていた。

横でよく見ていたからな。


まだ俺と同一人物なのには気が付いていないあたり、鈍感さがすごい。


ー彼女は300万人持ってます

ーすごいな

ーblancの知名度謎過ぎる


「プリームさんと話すの初めてかもな」


もう質問ボックスなんか、一時間前あたりから放置しているし、いいか。


『そうですね、コラボしたいです!』


ー謎の敬語

ー何かプリームがしたなの草

ーコラボおもしろそう


「そうですね、また一緒に考えよう」




こうして俺の急な配信を終えた。





ちなみにこの後、急に彼女は家にやってきた。


「やばい!blancさんと喋った!!」


すごい興奮した様子でリビングにやってきた。

その後、blancのすごいところを永遠と語られた。


俺はもはや半分寝た状態だったがばれてないだろう……

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