第27話 唐突なゲリラ配信
夜11時を過ぎたころ
《やあ90万人記念配信やります》
「皆さんお久しぶりです」
俺のその一声から配信が始まった。
blancが配信するということが、いろいろなところで話題になった。
しかも世界中で拡散されたので、待機人数が5万人を超えてしまった。
そんな待機されていたのは初めてだ。
俺はあのコメント以来姿を隠していたので、
界隈では、亡くなった説や失踪説なども出ていたようだった。
他のチームメンバーがそれに対して、否定をしていたので大事までには発展しなかった。
ーきたあぁぁぁ
ー待ってた
ーやっと
ー二カ月くらい経ったね
ー大会出る気になったか?
「今回は、久しぶりなので雑談しようと思ってたんですが、」
本来ならそうしようと思っていた。
でも、唐突な配信のコメントをSNSで投稿しようと思ったら、
「登録者90万人達成しました!なので今回は質問コーナーとか電凸します」
本当にびっくりした。
他の絡みがあった登録者さん達からたくさんのコメントをいただいていたが、
コラボ打診かと思ってみていなかった。
チームメンバーは気を使って言わないでいたらしい。
「電凸はガチで誰にも言ってないので、来ない可能性あります」
これは本当だ。
普段なら順番を決めてするんだが急すぎたので
何もしていない。
「まずは電凸が来た時用の質問を決めたので見せます。」
・名前
・配信のきっかけ
・俺と一緒に行くならどこ
・どんなコラボをしたいか
これをさっき即興で作った。
内容は結構しっかりしているので、後は相手側に任せたい。
「さて、質問コーナーやります。適当に拾うけどスパチャ優先」
さて、電凸にはそこまで期待を寄せていないが
質問コーナーでもしながら意識はしておこう
ー《3000円》大会に戻る気はあるん?
「えっと、大会に戻る気はありますか?ですね。スパチャありがとう」
最初からすごい重いのが来た…
「大会はそんなに出る気はないですね。でも0ではないです」
ー0ではない!?
ーまじ?
ー期待
大会は避けているけれど、もしかしたら戻りたくなるかもしれない。
その後いくつか質問を返していると、
ーん?
ー電話だ
ーきた!
俺の使ってるスマホから電話が来た。
普通ならpcのチャットアプリなので、大体人が絞られる。
「えっと一人目来ました。来ないと思ってました。」
まさか来るとは、と思いつつ承諾ボタンを押して会話に出る。
『あ、こんにちは』
ーきちゃ
ー女!?
ー聞いたことある
ーだれだっけ
「では自己紹介お願いします」
『アイラスです!90万人突破おめでとうございます。』
一人目に来ていただいたのは、
白い流星に分けられる前にあったチーム ARKの一人だ。
女性プロゲーマーでめちゃくちゃに上手い。
中の人は大学生で、リアルで会ったことはないが、
配信でよくコラボをしていた。
ーおおおお
ー懐かしい!
ー1人目がこの人ってえもいな
ー久しぶりだぁ
「というわけで、お久しぶりですね。」
白い流星に分岐してからコラボ頻度が減ったのでざっと半年ぶりだろうか。
すごく懐かしい。
『そうですね。またコラボしましょう!』
彼女の声を聴きながら配信画面に立ち絵をのっけた。
「というわけでやっていきましょう!
まずは配信者になるきっかけからですね」
『そうですね。ゲームが好きだったので、繋がれる人が欲しくて始めました。
今ではプロゲーマーになっちゃいましたけど…』
プロゲーマーになっちゃうみたいなことって中々ないと思う。
若干笑ってしまった。
ー主人公かよ
ーすごすぎ
ーこれが才能かぁ
「じゃあ次に、blancと一緒に遊びに行くならどこ行きますか?」
『んー。アニメイト行ってみたいですね。アニメ好きって言ってたから』
ちゃんとした答えだ。
確かにアニメは好きだから一緒に行ってみたい。
アイラスさんが好きだったかはわからないけど、まあ多分好きだろう。
「良いですね。今度本当に行きましょう」
ー動画化期待
ーついでに顔出しだな
ーデートやん
「では、最後にコラボするなら何をしますか?」
『アニメ語る!!』
やっぱりアニメ好きだったか。
それにしてもゲーム配信者でゲームコラボ出さないのもすごいな。
まあ、それはそれで良いんだけど。
「なるほどね。これで終わりかなぁ」
電凸配信が久々すぎてあまりうまくできてないけれど、
視聴者も満足できててよかったと思う。
『また、コラボしましょう!ではでは』
ー良いコラボ
ー期待
ー楽しみにしときます。
「えっと質問コーナーしようと思ったんだけど、電話来ました!」
次はパソコンの方からの通話依頼だ。
しかも意外な方からだ。
「どうぞ」
『え、えっと、こんにちは』
ー海外!?
ーまさかの
ーすご
ー人脈どうなってるんだ
ー日本語大丈夫?
そう、次に来たのは海外の方だった。
「名前、なんですか」
『Ryurik = Kazakovtsev!』
ー????
ーえ(笑)
ー分かるけど聞き取れねえ
ーこの人って…
Ryurik = Kazakovtsev
日本語で言い換えるならリューリク = カザコフツェフ
【world war】の直近の世界大会で1位を取った人だ。
昔からうまくて、何度か動画外で話したことがある。
ロシア人だが、日本語がうまいので凄く助かってる。
『Должен ли я тоже занять уголок вопросов и ответов?』
頼むから日本語を話してほしいと心から思った。
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