第16話 春陽さんとのコラボ
緊張が身体中を駆け巡ってる。
その理由は紛れもなく、春陽さんとのコラボだ。
ここ最近ずっと春陽さんについて調べた。
春陽さんはHESKALの二期生であり、ゲームがとても上手い。
個性的な方らしいが、キャラがとても接しやすいらしい。
俺はキャラをそこまで作ってないので、作れる人がすごいとは思う。
夜音も若干リアルとキャラが違う気がする。
春陽さんとは話し合って、するゲームを決めた。
するのは【AFG】というVRMMOだ。
冒険型戦闘ゲームで、最近話題になっているものだ。
俺も春陽さんもしたことがないので、良いんじゃないかという事で一致した。
枠の作り方は知らないので、マネージャーさんに任せた。
配信用意でパソコンを起動させると、春陽さんが先に通話に入っていた。
「あ、えっと、こんにちは。今日はよろしくお願いします」
待たせてしまって申し訳ないなと思いつつ、挨拶をする。
『ネスイちゃん。よろ~』
「あ、うん、よろしくお願いします」
あまりにもキャラが個性的すぎて言葉が詰まってしまった。
だが、突っ込むのもどうかと思ったのでスルーする。
『同時配信で良いのよね?』
「はい」
そう。
今回は春陽さんと俺の2チャンネルで同時に配信する。
『ネスイって呼び捨てで呼びたいんだけど良いかな?』
さっきのキャラとは違ったおとなしい呼びかけだった。
「はい」
特に嫌では無かったので許可する。
といっても二期生に対して断る方が不自然だが。
「ネスイ、頑張ろうね!」
今、前代未聞のネスイの初配信が始まった。
《2回目の配信はまさかのコラボでした》
「こんしろ~」
開幕から挨拶を入れた。
ー待ってた!
ーこんしろ~
ーこん!
ー※二回目の配信
ー草
確かに二回目の配信でコラボとかちょっと苦笑してしまう。
『こんにちは~!HESKAL二期生の春陽だよ~!』
初めの言葉はこういうのがあるのかと、頭のなかでメモした。
元気の良い彼女の声に視聴者は反応しているだろう。
ゲームを起動しているので分からないが。
『今日は二人で話題のゲーム、【AFG】をしまーす!』
台本のような物の通り、春陽がゲームの概要を説明する。
『このゲームを知らない子のために教えてあげる。
最初にジョブを決めて冒険するゲームだよ!
ストーリー性というよりは戦闘ゲームだね
知らない人たちとゲーム上で冒険したり戦ったり出来る
よ!』
ー終わった
ーこのゲーム大会多いよね…
ーもう覇者が決まった
ーでも初心者だぜ
ーこいつらには通用せん
ー逃げろ!
コメント欄も盛り上がっている。
俺は春陽さんが説明する間にゲーム起動を終わらせた。
後は名前を付けてジョブを決めるだけだ。
画面を配信内でうつるのを確認する。
「じゃあ始めますか。名前は【ネスイ】で行きます」
『私は【春陽】にしようかな』
二人ともゲームの名前を決めたところで、ジョブ選択に入った。
種類は主に7つ。
盾使い、主にダメージを防ぐ。
回避盾、技を避けて攻撃をする。
戦士、銃を使う。
騎士、全体的なバランスが整っている。
忍者、特攻的な攻撃が多い。
魔法使い、魔法攻撃を主にしている。
聖魔、回復役だ。
俺は以前にも言ったが、弾を避けて戦うのが得意だ。
なので回避盾を選ぶ。
ー回避盾か~
ーその職業のプロプレイヤーっていたっけ?
ー居ないなぁ
ー全ジョブで一番弱い
ー大丈夫か?
どうやら人気ではないらしい。
まぁ使いこなせるように頑張ろうとは思う。
一方で、春陽さんは悩んでいた。
『どうしよっかなぁ…魔法使いも有りなんだけど、戦士もしてみたいんだよね…』
「どちらも回避盾にしたら強くないですか?」
冗談半分の事を言って、会話を繋げようと思った。
だが、想像の上を行ってしまった。
『さすが、じゃあ私も回避盾に』
二人の職業が確定してしまった。
ー草
ー終わった
ー攻撃当たらんやん
ープロが使うと最弱ジョブじゃなくなる…
まさか、冗談が本気になるとは思わなんとも言えなかった。
画面にVRゴーグルを着ける指示が出たので着ける。
専用の用具も必要だが、このゲームと一緒に買っていたので問題ない。
もちろんコメントは画面右側に流れてくる。
《操作方法の確認です》
AIらしき人の説明が始まった。
いわゆるチュートリアルだ。
回避盾は短剣という言葉通り短い剣を使う。
盾は出現させれたり、消したり出来るが耐久値はそのままらしい。
「思ったよりきれいに動くなぁ」
『だね』
必須用具を両手に付けているが、少ないので操作量が限られると思っていたが、想像以上に動いた。
《それでは、新たな世界へようこそ》
俺の目の前は真っ白になった。
「お~」
オープンワールドのような世界が広がり、色々な職業を持った人とすれ違った。
横には春陽さんが居た。
容姿を自由に変えられるのですぐに分かる。
ちなみに自分も白海ネスイの姿だ。
『とりあえず、何をしましょうか…』
「あの森に行きましょう」
指を指したその先の森に向かうことになった。
事前情報を一切調べていないので、何が居るかは分からないが、何かは居るだろうと思った。
ー出会い厨はbanらしいよ
ーじゃあ止めよ
ーする気だったのかよ
ー会いたいじゃん
ーでもここまででないのすごいなぁ
ープリームさんのはヤバかったなw
ーあれねw
ここにAFGをぶち壊す2人のプレイヤーが誕生した。
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