第8話 チーム練習③

『前に居る3人、やりますか?』


 今、俺とendmの二人で安全地帯まで移動している、

 だが、さっきからずっと前に敵がいる。

 数的に不利なので手を出せなかった。


 「そうですね、スナイパーで抜いてみます。」


 俺は物陰に隠れる。

 スナイパーで敵に照準を合わせる。

 endmは1人倒れた瞬間に狙う姿勢を取っている。

 たぶん、ピストルを構えているんだろう。


 「頭当てたら、すぐに攻撃してください。無理だったら引いてください」


 『了解です』


ここで二人ともやられると、別行動の二人がピンチになる。



マウスを少しずつ動かしてエイムを合わせる。

 そして銃弾の音が響いた。


 「行け〜!」


 狙いやすかったので、頭に当たり相手チームの1人がダウンする。


 『やれます!』


 endmは上手く物陰を利用して射線を消しながら進んでいく。

 そして、相手チームは突然の登場で混乱していた。




 『行きます』


 物陰がその先からなくなる。

 そんな中、彼女はひと声かけて突っ込んだ。


 俺も走って近づく。。

 サブマシンガンを構えて、エイムを合わせようとした時、もう敵は全滅していた。




 『1パ潰せたので安全地帯に行きましょう』


 何事も無かったかのように進んでいった。

 俺も遅れを取らないように進む。






 endmは声は天使のようで評判が高い。

 動画配信サイトでも40万を越える登録者が集まるほどだ。

 だが、その一部は違う点にもある。

 

 彼女のエイムは化け物級だ

 

 特に1対4でピンチから逆転して勝った試合は視聴数がずば抜けて高い。





 『まだ人は多いですね…』


 生存数はまだ40を切っていない。

 マッチで最高人数は80人なので半分しか減っていない。

 これは結構実力が高い人が集まっていそうだ。




 「二人は反対側にいるので合流は厳しそうかな」


 車に乗って移動する手段もあるが、音が大きい。

 それに、二人だとバレた時、一気に全滅まで持っていかれる可能性は十分にある




 『ですね、とりあえず高い場所からダメージを稼ぎましょう』


 【world war】には1つの特殊要素がある。

 それが、サージと言われる要素だ。

 狭まくなっていく安全地帯に対してたくさんの人数が残っていた時に適用される。


 ダメージの与えた量が一定のボーダーラインを超えていなければダメージを受ける。


 これはシールドでは無く、HPに直接当たるので厄介だ。




 ちなみにシールドは200あり、HPは100だ。


 「そうですね、あの崖とか良さそうですね」


 次の安全地帯にその場所が入る確率は低いが、その代わりほぼ全ての範囲を見れる。

 ダメージを稼ぐには良いところだろう。


 『では行きましょうか』


 endmが戦闘を始まる。

 俺はスナイパーに変えて、もしもの戦闘に応戦できるように準備する。



『居ませんね、このまま登りましょう』


 彼女に続いて登り終えて、敵を探していた。




 「やっぱり外れましたね」


 次の安全地帯の位置がマップに表示される。

 移動時間まで1分ほどある。



 『あそこに居ますね。』


 ピンが刺される音がした。




 不思議ではないが、やはり4人行動だ。

 なので数的優位は取れない。


 「ここにも居ます」


 近くに居る人は皆安全地帯に向かっている

 


 『あの高所に居ますが、打ちませんか?』


 見てみると

 次の安全地帯の中では一番の高所を取ったチームが下を見下ろしている。

 距離的には結構遠い。

 だが、今の安全地帯と比べてここが一番高いので上を取れているのでバレていない。

 見た感じでは4人いるが行けるかもしれない。




 「おけ!抜くわ」


 索敵にスナイパーを使っていたので、そのまま照準をする。

 やはり、相手はレジェンド帯に値しそうな動きをしている。

 簡単に抜けないだろう。

 撃ってみたものの、それは胴体に着弾した。


 頭には当たらず、狙った相手も死ななかった。


 そして居場所がバレたので四人の銃弾が飛んでくる。

 横でendmがアサルトライフルを撃って応戦している。

 サブマシンガンで応戦するわけにも行かないので、

 俺は射線を切って、スナイパーをリロードをする。


 endmもリロードをするために物陰に隠れた。


 『二人シールド割っています!』


 「了解!」


 endmの次は俺の番だ。

 スナイパーは一発ごとにリロードしないといけないが、

 頭に当てると1発でダウンにさせられるのでそこまで難しくはない。


 1人射線を切れていない人を見つけて、それを抜く。


 「あと、三人」


 彼女もリロードが終わり応戦する。

 俺はサブマシンガンで少しずつダメージを与えていく。




 『あと1人!』


 やはり、エイムが化け物のendmはあの距離からでも2キル得たようだ。

 1人キルではなくダウンではあるが、実質残り1人だ。

 彼女はアサルトをリロードすると思ったが、ピストルで応戦した。


 その間に物陰でスナイパーをリロードする。



 『あ!』


 彼女の驚いたような声が聞こえてそっちの方向に向くと、endmがダウンしていた。

 ログで彼女はスナイパーに抜かれてしまったのが分かった。


 「下がってて」


 俺はそう言って、リロードをサブマシンガンまで済ませてもう一度姿を出す。

 相手はスナイパーを構えていた。

 放たれた弾は、ギリギリで避ける。

 そして、避けた瞬間にスナイパーの照準を開いて、即座に撃つ。


 その弾はきれいに相手の頭に吸い込まれ、敵を全滅にする。

 


「蘇生するわ」


 時間が無いのでendmを蘇生する。

 安全地帯が縮小し始めてるので、急いで移動しないといけない。



 『お二人も生き残ってますね』


 それを聞いて、マップを開くと二人が生きていると分かった。

 よく考えてみたらあっち側も二人なのでピンチをどう乗り切っているのか楽しみだ。




 


 「そうだな、そろそろ合流したいな」


 この範囲なら、そろそろボイチャがつながるだろう。

 すると、連携もより楽になることだろう。


 『ですね、行きましょう』


 彼女の蘇生と回復が終了したので移動し始める。

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