第48話逃亡先の湿度

この部屋に生暖かい風が吹き込んで来るが、体温調節をしなくては為らない程、寒暖差は無く、身体中にベットリと纏う湿気を何とかしたい。

 毛髪や衣服が、汗と湿気でベタついて女装者の様に凸凹な見た目で、ホームレスの様だ。

空港で東京着のジェットに搭乗する際の身形を考えているナオミが滑稽で、「望み薄いよね。」 可能性を見つけてはアリの一穴でも強引に成功を結びつけて来た彼女らしくない弱気な意識が舞い降りていた。

 いつからだろう?リオの前から逃亡して疲労困憊になり、空腹感が、悲観的な意識を助長する。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る