第47話スラム街の臭い水

 仕事は無く人々は失業者が多く貧困に喘いでいた。

貧富の差が激しい首都圏には路地裏に入るとスラム街化していて、一般市民は近寄らず、警察も立ち入らないでいた。

 この地勢を逆に利用したナオミ達は高温多湿であった為、身を隠すには、もってこいの街並みに表通りを一歩入った老衰はうらぶれた古アパートが佇み、家主が判別しない管理状態で、廃墟と見紛う見た目にアマゾネスマフィアも騙されやすい外見だった


 どうして居るのか・・・。

日本に残して来たあの2人は? 上手く結婚出来たかな・・・。

 おっとり刀の雷子。

しっかりして居そうでチョンボをやらかす孝。

 私が着いて居なきゃダメ?独りでに言葉が出た。

「帰りたい・・・。」ナオミがそうであったように八代も重度だ。

栄養が足りて居ないのか、断続的に震えが走り、囈言の様に帰りたいを繰り返す八代。

 肌は透明の様な白くて柔い。

可憐な揚羽蝶が土砂降りに晒され羽を折られた様に飛べなくなって数日、ナオミもリオの元から姿を眩ましていた。

 衣料品は鷲掴みにして飛び出していた! 金は有る。水は持って来て無い。

幸いこのアパートには壊れた水道から水が垂れ流れいつでも水分が取れる。

 少々臭いが、贅沢は言ってられない!

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