第35話女の意気地

 ナオミは独りで行動しているが、寂しくはないのか?

行ったことも無い異国の空の下で、呼吸をして、食事をして、眠りに就く。

 知らない部屋で、朝起きたら誰か知らない人が隣に居たらどうするんだろう?

それにしても勇敢な女性は、「ナオチン・・・。」呼べば呼ぶほど寂しくなる。

 ナオミの柔らかい頬、長い指先、良い匂いの黒髪、富士額、笑うと白い歯が溢れる。

そういえば最近、雷子の笑顔を観たこと無いな・・・。

 ナオミがブラジルに渡って当てが有るのかと言えば、全く無かったし、かといって誰かを頼るのも性に合わない。

 自分で納得してから自分で行動する・・・。彼女の意気地だ。

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