第36話いつでもナオミ頼み

孝は雷子と籍を入れ、しかし結婚と言えども恋愛感情は無かった。

 一緒に暮している内に段々と好きになるだろう・・・と、高を括っていた。

雷子は飯炊き女では無い。それは孝が良く知っていた。

雷子は義母に対して献身的に尽くした。

 それは孝に対しての前のめりの気持ちだった。

仄かに沸き上がる恋愛感情にいつしか横恋慕に為っていた。

 願ったり叶ったりのナオミの行動はいつもアナーキーだったから察しが付いていた。

義母介護状況と姉の性格・・・。

 ナオミの性格はアクティブだったから、日本の気候と孝の動向とナオミの破天荒な行動力とを掛け合わせれば、直ぐに答えは自ずと出てきた。


「日本にはジジイとババアが多すぎなんだよ!」


自棄に悪態を付いた!


 戦後の団塊の世代が後期高齢者に為ったからだと、一本気なナオミが隆の戯言を聴いたら怒鳴って一発孝にくれてやっただろうに、今は日本の医療のリーダーが居ない。

 こんなことでもほざけば、きっと変わるかも知れない自暴自棄だった。

いつまでナオミ頼みなんだろう・・・。

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