第2話 考えたこと
赤門さんは、ぼんやりとこれからのことを考えたそうです。何をするか。何をすると儲かるか……。荒っぽいことをしても良いかなとも思ったそうです。荒っぽいこととは、簡単に言えば、警察のお世話になることです。確かに、これほど混乱していれば、火事場泥棒をしても、捕まることはないとは思えます。
冗談半分の気持ちで、赤門さんが、泥棒をするのならと話してくれた注意点を書いておきます。稼ぎ額が大きいのは確かだが、動く時期と時間に注意すること。時期は、災害が起きてから、あまりに早ければ、怪しまれるので、二週間から二ヶ月以内が適当。
何でも、そうだが、情報を集めて、どこに出かけ何をするかを判断すること。人に危害を加えるような、荒っぽいことは、しないほうがいい。
大金を狙うなら、銀行やコンビニのATMがいいが、現場で金庫を開けるのは時間がかかるだろうから、機械にチェーンをかけて、大型車で引きずり出すのが、手っ取り早いと思う。
今なら、監視カメラが作動していないだろうから、タイミングとしてはいい。狙う先は、金融機関、商店と現金が期待できるところがいい。個人の家は、どこに現金がおいてあるかというコツがわかれば、狙ってもいい。
盗難の被害が出れば、普通は、警察がパトロールするが、今は、それは無理だろうから、自警団が組織されるだろう。素人だからといって、馬鹿にはできない。彼らには、土地勘があり、住民かどうかの区別もつくから、出来るだけ、会わないような時間を選ぶべきだ。
自動車の使用は、必須で、出来れば、地元ナンバーがいい。もし、自警団に見つかっても、地元の車であれば、見逃される可能性が高いからだ。車のナンバープレートが手に入らない場合は、捨てられた車のものを付けてもよい。
活動は、昼間は、見つかる可能性が高いので不向き。昼間は、下見に徹するが、同じ場所をうろつかない。夕暮れ当たりからがねらい目かな。夜間は、両手が使えるようにヘッドライトにして、それも光をしぼること。
一台の車で出かけ、そこから、複数の家に同時に入る。個々の連絡は、無線。電話では、一人が捕まった場合、脚がつくおそれがある。単独でやるよりも、ある程度の人数がいたほうが、効率が良いと思うので、気心の知れた奴を選ぶこと。
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