宇宙のはしっこで

古 散太

宇宙のはしっこで

この目で見ることのできる

数千の星の中の

たったひとつの星の上

同じ種類の生き物が

争い 戦い 罵りあい

勝ったとか負けたとか

上だとか下だとか

持っているとか持っていないとか

どんぐりの背比べを続けているのを


病気 事件 事故 災害

だれもが年老いて死ぬわけではないのに

死んでしまえば思い出しか残らないのに

今を満足することも楽しむこともなく

どんぐりの背比べを続けているのを


宇宙のどこかのはしっこで

ぼくはただ見ている

一千兆個の数千億倍のうちの

たったひとつの星の上

今日も視野の狭い人類は

宇宙のどこかのはしっこで

自分の首を絞めている

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

宇宙のはしっこで 古 散太 @santafull

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ