第24話 Extra 小野司



司視点



 私は、おけいはんに手を引かれて寝室へやってきた。

 ……なんか、少しドキドキする。おけいはんとこうして二人きりになるのは久しぶりだったからかもしれない。

 ベッドの上に座らせられると同時に、おけいはんが私を抱きしめてきて、そのまま押し倒された。

 おけいはんの手が、私の胸に伸びてくる。私は慌ててその手を掴んで止めた。


 でもすぐに振り払われてしまい、私の胸をやわやわと揉まれる。

 私は、少し抵抗をしてみるけど、無駄だった。


 まあでも……最初からこうなることを望んでいたから、身を委ねることにする。

 でも、


「む、ムード、ゼロか!」


 こうして……エッチなことをすれば、私の機嫌が直ると思ってるのは、おけいはんの悪い癖だ。

 ……まあ、実際そうなんだけど。

 私は、素直になれない自分が悪いってわかっているけど、わかっていてもどうにもできない時がある。

 こうでもしてもらわないと……本当にダメになってしまうんだ。


「つーちゃん……髪の毛染めたんだね」


「うん、もう夏休みだし……気分転換」


 私は、おけいはんに髪を撫でられながら、質問に答える。


「似合いすぎてる。今日ずっと……つーちゃんのことばっか見てた。可愛い。最高に」


「う、うそつき。私のこと全然見てなかったじゃんか、おけいはん、ずっと千景と桜子のこと見てた」


「そんなことないよ。つーちゃんのこと、ずっと見てた」


 う……。

 おけいはんにそう言われると、私は何も言えなくなってしまう。

 ずるいなぁ。おけいはんはずるいと思う。


 中世的な顔立ちで、女の私から見ても可愛いと思うし、誰にでも優しいし、気遣いも忘れない。

 でも、こういうところだけは……本当にずるい。


 しっかりと、男の子なのだ。


 ……それに、私は弱い。

 おけいはんに、愛されてるという自覚が持てて、とても幸せになってしまうから。

 こういう風に求められてると、すぐに機嫌を直してしまうのだ。単純だと思う。

 我ながらちょろい女だなぁとは思うけど……仕方がないとも思うのだ。おけいはんだから仕方がないって。


 ああでも、一つ弁明しておくけれど……もちろん千景や桜子のことだって大切だし好きだ。


 長い付き合いだし、親友だと思ってる。


 でも、二人とイチャイチャしてるおけいはんはあまり見たくない。

 前はそうでもなかったけど、最近、特にそう感じる。


 どうしてだろ……やっぱり、好きだから嫉妬してるのかな?

 私は、おけいはんに抱きついたままそんなことを考えていたら、いつの間にか服の中に手が入ってきていた。


 おけいはんの手が、私のお腹を撫でている。

 私は少し驚いて、思わず体をよじったけれど、すぐに抱きつかれて逃げられなくなってしまった。

 

 おけいはんの手が熱い……いつも思うけど体温高め。


「つーちゃん、ここ弱いよね」


「弱くないっ……てかお腹ばっかさわんないでっ、くすぐったいし」


 おけいはんの手が、どんどん上へと登ってくる。

 そして、私のブラに辿り着くと背中に手を回し、ホックを簡単に外してきた。


 私は驚いて、慌てておけいはんの手首を掴んだけれど、おけいはんが服の上から胸に触れてきたので中断されてしまった。

 お腹の奥の方がキュンとなる……もう、こうなると抵抗は無駄だ。


 私はおけいはんに体を委ねた。



 ※



 僕はつーちゃんの唇に自分のそれを重ねた。

 制服の中に手を入れたまま、つーちゃんの柔らかいお腹を撫で、胸に触れる。


 僕はこの時間が大好きだった。

 つーちゃんが僕のものなんだって思えるから。

 誰にも邪魔されない二人だけの時間……そう、この時だけは間違いなく、彼女は僕だけのモノだ。


「今日のつーちゃんは……ちょっとイジワルだったから、お仕置き」


「お、おしおき? どんな?」


 つーちゃんが、潤んだ瞳で僕を見上げる。

 ああもう……可愛すぎる。


 お腹の奥にあった熱がさらに高まってくるのを感じながら、僕はそっと胸を揉んでいく。


「何して欲しい? 千景と桜子にしない……ことでもいいよ?」


「ふ、二人と何してるとか、知らないし。……四人でするときは、普通だし」


「そうだね……僕はいつもみんなに耳をなめてもらってるけど、僕の方からしたことはなかったよね……」


「おけ……い……は、ん」


 僕は、つーちゃんの耳たぶを甘噛みする。そして舌をぺろりと出した。

 ちゅっと吸い付くように舐めると、つーちゃんは甘い吐息を漏らした。


「ひう……それ……だめ……」


 可愛い。つーちゃんに、もっともっと気持ちよくなって欲しい。

 お腹の奥が熱くなるのを感じながら、僕はそのまま耳たぶを舐め続けた。


 しばらくして、つーちゃんは息もたえだえになっていた。


 スカートをまくってみる。

 無地のグレーのパンツ。

 

 クロッチ部分が盛り上がっていて、その真ん中の部分は紺色で、うっすらと染みのようなものが出来ていた。


「つーちゃん……脱がせるよ?」


「や、だめ……今は恥ずかしいし……」


「司、脱がせてもいい?」


 初めて、つーちゃんのことを呼び捨てで呼んでみた。

 つーちゃんは、一瞬驚いた顔をした。


 そしてすぐに、頬を赤らめて、「うん」と素直に頷いた。

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