乙女

@Gpokiu

「愛」

これほどまでに素晴らしい響きがあるだろうか。繰り返し、繰り返し唱えるたびに勇気が湧いてくる。もう1回、あと1回。体にエネルギーが満ち満ちる。

どっくん、どっくん。どっくんどっくん。

嗚呼 生きていると感じる この瞬間がきらきら輝いて 感謝の気持ちが湧いてくる


ドン、ドン、ドン。

太鼓の音が響く、体の内側に衝撃が伝わる。

終わりが近づいていると実感する。でも、もう大丈夫。だから、彼女の胸にうずくまって眠る。


「なんでダメなの?」

「それが決まりだからよ。」

「なんでそうきまってるの?」

「それが悪いことだからよ。」

「誰が悪いって決めたの?」


わかっている。誰に聞いても、何を聞いても、答えなんて出てくるはずはない。だから自分で見つけたのだ。


よかった!!!

ダメなことなんかじゃなかった!!

悪いことなんかじゃなかった!


ああ、大丈夫。私はちゃんと愛している。私は恋する乙女なんだから。あなたの外見も、内面も。何もかも全て、全て愛しく思える。大丈夫、もう動かなくなった貴女も美しいと思えるならば。

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