第16話 戻るの?残るの?

 やっと目処がついて、りな、みさのいる職場に戻ることに。疲れたよー、今週緊張しっぱなしで。


【はると、戻らないでさー、うちの社員にどう?】


さきさん、何言っての?無理!聞こえないふり…


【こら、はると!無視するな】


さきさん、後ろから羽交い締め、く、くるしい…

ギブ、ギブ!普通こういうことしないよ…ゲホっ


【さきさん、お世話なりました。ご迷惑おかけしました。今後もよろしくお願いします】


【はると、固いって、私達の仲じゃん!チュ😚】


何してくれてんだ?さきさん、なんかお酒の…


【まさか、二日酔いですか、さきさん】


【昨日久々に飲んじゃった。今週忙しくてさ、ストレスたまりまくり!】


俺のせいだからね。ほんと申し分ない。


【返事!うちの社員になるかってこと、どうなの?】


【それは、無理ですって。何してるかよく解らない、難しい、出向の立場なので、すみません】


【諦めないよ、はると!】


 さきさん、俺の、意見はどこですか?るいさん、助けてよ。


【はると、ありがとうね。お疲れ様】


【るいさん、お世話になりました】


【さきってさ、はるとみたいの好みなんだね、年下の弟みたいな、自分の自由に出来るって男】


【さきさんほどの人ならいくらでもいい人材見つけること出来るんじゃないですか?】


るいさんは、首をかしげて、


【不器用なんだよねー、さき。中途半端にきれいで近寄り難いって思われるから。酒も好きだし…酒好きさき…さけさき…さっき…どう?、はると】


【………】


【駄目?さきと酒かけたんどけと…】


【………】


【はると、何、無視してるの!】


【るいさんって、そういうタイプに見えないから不思議に思って】


【どう見えるの?可愛いとか解ってることは無しで、正直に言ってよ】


さきさん、怒ってるよ、るいさん。後ろ後ろ!


【る~い〜!はるとは私のだって言っただろ!】


【だからさー、何でテメーのものになるんだよ!】


【二人共、やめてください。とにかく俺は今日で全て終了ですよね?来週からは戻ります。ほんと、お世話なりました】


 この二人いつもこれだ。とことん相性悪いんだろうな。会うたびに、なんで二人が同じ部署なんだろか?この人選、配置。所長間違ってないか?


【少しの期間でしたが、忙しくても、楽しかったですよ。やりがいもあったし、勉強になりました。みんなレベル高くて…来週から、離れるのは、少し寂しいなって思います】


【………】


さきさん?


【あー、さき、泣いてるのかなー、んー?】


【るい…うるさい…少し黙れっての!…】


るいさんが、耳打ちして、


【はると、さきのこと、ハグしてあげて】


【えー、怒られますよ。そんなこと】


【寂しいって思ってるからさ】


怖いなー、ぶっ飛ばされないかな~


【ほら、早く!さき、泣くなんてそうそうないよ】


【解りました…】


 るいさんに言われる通り、さきさんの正面に行き、そっと、手を回して、


【さきさん、ありがとうこざいました。また来ます。今度は遊びに…】


さきさんがしがみついてきたきて、


【わーん😭!はると、ここに来てよ~】


そんなこと言われても…あの厳しい、さきさんどこ行った?


【なんだかんだ、素直にさきの指導に耐え切ったもんね、はると。さきも嬉しかったんだね】


 なんだ、るいさんとさきさん、しっかりと理解し合ってるじゃないか。さきさんは解らないけど。

るいさん、優しいな。


【わーん😭はるとー!】


 ちょっと、ちょっと、さきさん、鼻水が…

仕方ないな。暫くしてこうしていよう。
















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