第19話 月曜日は嫌い
次の日
来ないで欲しいと願った月曜日。学校が嫌いというのでは無いむしろ教師がいる分勉強を教えてもらえれば捗るからな。ただ、今の俺にとっては辛い…告白されたり、理由分からず怒っていたり、行きたくない…
「ほれ、さっさと行って土下座でもしてこい」
「お前どんどん口が悪くなっていってるぞ」
「どんよりして迷惑だからさっさと処罰されてこい」
「はぁ、わかった行くよ」
学校までの道のり腹が痛く胃がキリキリしていた。辛くてシャレにならんかった。
「お、今日は遅いのな」
「あ?腹痛だボケ」
「お、おう、語彙力無くなるほど苦しいのな」
席に着いてそうそう勝手に前の席に座り司は海斗に絡むがいつもよりも気がたっている海斗は
不機嫌に応えた。そんな中海斗の隣の席からいつも通り話しかけられた。
「大丈夫ですか?」
「い!?」
「?なんです、そんなに驚いて?」
やはりいつも通りの沙耶に驚きを隠せずそして少し安堵した。
(なんだ。こいつもそんなに怒ってないのかビビって損したぜ)
ほっとして胸を下ろす、だが、あの怒りが嘘とは思えない。疑問は続くが仕方ないと割り切るしか無かった。
「はぁ。先が思いやられる」
「何の話だよ」
「こっちの話だ。」
もうこの話は終わりだと言うように海斗は机に突っ伏して寝る体勢に入った。
だから海斗は知らない転校初日の愛想笑いとは違う、遊んだ時に見せた笑顔とも違う。完全にキレてる人が見せる心を殺して笑う笑顔。
司はそれをみてやっぱキレてたと苦笑いをして自分の席に飲み物を取りに戻った。
そこで周囲を見回して異変に気づいた。もう10分前だというのに、クラスには自分達を含んで6人しかいない。
「なぁ、海斗…今日休みなんてことないよな?人少なすぎじゃね?」
「知るかよ」
顔を上げずに目を伏せ周囲の状況を確認しようともしなかった。面倒なのだろう。そんな事を感じて自分の中で考えようと司が思考の海に意識を泳がせようとした所をちょうど沙耶があまりに小さな声で話した。
「転校生よ…私の知り合いの」
「転校生?多いなまだ1ヶ月も経ってないのに?確かに注目浴びるのは分かるけど。なんでこんなに人居ないんだ?」
「…最近有名な女優、名前は木多友菜」
(きだゆうな?なんか聞いたことあるな)
「バリバリ有名人じゃねぇか!」
(あぁ、前七海が言ってたヤツか)
そう言い終えると司はスマホを片手に行かねばとダッシュで人の多い場所を探しに走った。
そんな様子に残りのクラスメイトもついて行く形で向かった。クラスには海斗と沙耶の二人しか残っていなかった。
「……貴方は行かないの?」
「…興味無いんだよ…そういう有名だのなんだの、結局人だろ」
「いや、人でしょ」
「だから興味が無いんだよ俺は親しい人を積極的に作ろうと思わん。今後の付き合いがあるかもわからんからな」
「だから、友達もいらないと?」
「…」
「貴方はなんでそんなに……いえ、なんでもないです」
言葉に怒気をはらんでいたがその感情の表情を海斗は見なかった。ずっと顔を伏せている海斗に沙耶も諦めたように顔を伏せた。
周りの有名人が来たとザワつく廊下の音が聞こえてもこの教室は静かだった。
娯楽の呪いと青春ラブコメ @kouaka721rook
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