第14話 挑戦は軽率に

「……俺、何にもしてねえんだけど」

「ごめん……途中から、楽しくなってきちゃって」


 石を投げたらあらぬ方向に飛んでいってしまうさらりでも、【水魔法】なら狙い通りの位置を射抜くことができる。これほど思い通りになって、楽しくないわけがない。ルイを守るのだ、と張り切ってモンスターに立ち向かったさらりだったが、途中からはいかに狙いを定めて一撃で倒すかを楽しんでいた。

 おかげで、あっという間に4-5層転送陣まで着いてしまった。拾い集めた核をざらざらと転送陣に捧げ、起動する。


「それ、取っとくのかよ。意味なくね?」

「わかってるんだけど……」


 余った核は他の階層では使えないし、食べることによる回復効果も薄れてしまった。全部ここへ捧げてしまうのが合理的なのだが、さらりはつい【収納庫】へしまいこむ。


「……入らなくなってきたら、いらない核は捨てるから」

「それ、片付けらんない奴の台詞だよな」

「そんなことない……と、思う。まだスペースがたくさんあるから、何か入れておかないと寂しい気がして」

「広いんだな、【収納庫】って。羨ましいぜ」

「便利だよね。……動画に出てくる探索者がみんな大っきい鞄背負ってるのは、やっぱり【収納庫】って珍しいスキルだからなのかなあ」

「そうだろ。見たことねえぞ、そんなスキル」

「皆、スライム食べようなんて思わなかったのかなあ」


 ドラゴンステーキにまっしぐらのさらりとしては、なかなか理解し難い心理である。首を傾げつつ、方向転換した。


「転送陣は起動できたし、そろそろ戻ろっか」

「……なあさらり、5層に行ってみようぜ」

「え。5層に行ったら、ボスを倒すまで戻って来られないんだよ」

「わかってるよ。さらりの魔法のおかげで随分速くここまで来たし、まだ時間あるだろ。いけるんじゃね?」

「いけるんじゃね、って……そんな軽い気持ちで挑んじゃだめだよ。死んじゃったらどうするの」

「死なねえって。さらりの魔法があれば行けると思うんだよな」

「そうかなあ……」


 ボスとは、ダンジョンの5層ごとに現れる巨大なモンスターの総称だ。5層のボスの動画は少しだけ見たが、予習として不十分なので不安がある。


「雨具は持ってきてねえの?」

「一応、二人分のレインコートは入れてあるけど……」

「何だ、行く気あるじゃねえか」

「いざという時に忘れ物をしないように入れただけで、今日行くつもりだったわけじゃないよ」

「うだうだうるせえな。5層のボスは、飛び道具があればわりと簡単に倒せるんだって。さらりの【水魔法】があるんだから、てるてる坊主なんかに負けないだろ」

「……わかったよ」


 不安がなくなったわけではない。きらきらとした目で前のめりに説得してくるルイを、言い負かせる気がしなかったのだ。


「ルイくん、さっきの怪我は大丈夫なの?」

「おう、痛くもなんともねえぜ。……ん? 治ってるわ」


 ひらひらとひらめかせたルイの手の甲には、先程の傷は跡形もない。


「核を食べたからだよな、多分。時間がかかるけど治るのか、やっぱあれすげえな」

「……そうだね」


 治ったのは幸いだが、これでボスに挑まない理由はもう見つからない。さらりは小さく息を吐き、気持ちを切り替えた。


「やるならやろう。全力で」

「よっしゃ。そう来なくっちゃ」


 ルイはぱちんと指を鳴らし、にかっと笑った。そんな顔で笑われてしまうともう頑張るしかないじゃないか。不安の中で笑顔を返し、ドローンを呼び寄せたさらりは4-5層転送陣に踏み込むのであった。


***


「寒いな、ここ」

「ね。雨も冷たそう」


 5層に移動され、さらりは赤、ルイは黄色のレインコートに着替えた。転送陣には降り込まないが、見渡す限り一面の霧雨だ。その影響か、空気はひんやりと冷たい。

 足元にある転送陣は虹色の光を失っている。ボスのいる階層に侵入すると、倒すまではいずれの転送陣もその機能を失ってしまうのだ。

 ふたりの見上げる先には、霧雨の中をふわふわと舞う半透明の巨大なクラゲ、レインジェリー。ふんわりと丸い傘の下に無数の触手が揺れている様子から、てるてる坊主と呼ばれている。


「さっさと始めねえと、体動かなくなりそうだわ」

「風邪もひきそう。私はあそこを狙って、魔法を撃てばいいんだよね?」

「ああ。俺はさらりに向かってきた触手を切り落とす。触手がなくなったら核が出てくるから、それからは核を狙ってくれ」


 5層のボスについて随分と詳しく予習していたらしいルイと、作戦の最終確認をする。


「……行こう」

「よっしゃ」


 転送陣の中にいる限りモンスターには襲われない。霧雨の中へ1歩踏み出したら、途端にレインジェリーに捕捉されてしまうのだ。

 じゃぶん、濡れた芝生に踏み込む。足元は2層でも履いていたマリンシューズである。水がすぐ抜ける作りになっているため、水溜りに踏み込んでもさほど足を取られないで済む。

 ふよふよと無邪気に浮いていたレインジェリーの傘が、ぶわりと広がった。傘の縁から生える触手も広がれば、体の大きさが3倍になったような迫力だ。広がった傘がぎゅっと丸まると、こちらに向かって一気に接近する。空中にいるが、その動きは水中にいるクラゲにそっくりだ。


「来る!」


 体勢を立て直したレインジェリーが傘を広げ、長い触手の先端を勢い良く伸ばした。ルイはひらりと身を躱し、触手を中程から包丁で切り落とす。落ちた触手がうねうねと、まだ生きているみたいにうねる。

 切られた触手が、すぐに再生するのが見える。レインジェリーの触手には高い再生能力があるが、再生できる回数は限られている。何度も伸びてくる触手を再生能力がなくなるまで切り落とし、最後に覗く核を狙って攻撃する耐久戦が、レインジェリー討伐の定石だ。しかし。


「【水魔法】使うよ!」

「おう」


 次々に飛んでくる触手を華麗な包丁捌きで落としているルイに声を掛けると、彼は射線を意識して位置を調整する。さらりもルイに誤射しないよう気をつけながら、人差し指でレインジェリーを狙った。

 触手の根元にある黒い点のような器官。そこを潰すと、その触手はもう再生しなくなるのだ。傘の縁をぐるりと囲む黒い点のひとつを狙い、さらりは【水魔法】を撃ち出す。

 雨のせいで水の飛んでいく音は聞こえなかったが、狙った位置から生える触手は根本から消失した。


「ルイくん、上手く行ったよ!」

「よっしゃ、その調子で頼む!」


 ルイが触手を切って再生能力を削ぐと同時に、さらりが【水魔法】で触手の数を減らしていく。それにより討伐までの時間が大幅に短縮できるという算段だ。

 1本、2本。狙った通りの位置に飛んでいく【水魔法】のおかげで、触手は順調に消えていく。50本程度あるという触手が全て消えるのも時間の問題である。


「ははっ、これなら楽勝だぜ!」


 ルイの方も、こちら目掛けて向かってくる触手を見事に捌き続けている。飛んでくる速度こそ速いが、伸ばす前に触手を一旦傘の方に引きつけるという予備動作があり、真っ直ぐに向かってくるため、きちんと見て構えていれば対応できるのだ。

 レインジェリーが膨らみ、空を掻いてふわりと移動する。さらりはその移動を目で追いながら、再生点を狙いやすい位置を探して数歩歩く。どん、と背後から衝撃が走った。


「うわっ」


 レインジェリーの移動に気を取られ、ルイの位置を把握するのがおろそかになっていた。ルイも同じだったようで、背後から駆けてきた彼が背中にぶつかったのだ。勢いを受け止めきれずにさらりは前方へよろけ、水溜りに片足を突っ込んで踏ん張る。


「あ、わりぃ!」

「ううん、大丈夫」


 振り向いたルイが、やや焦った表情で謝った。さらりはすぐに体勢を立て直し、レインジェリーを見上げて成長点を探す。脇腹に、鋭い熱が走った。


「いっ」


 熱い、痛い。声が出ず、顔を顰めて膝を折る。


「すまねえ、集中してなかった! おい、大丈夫か?」


 弱ったところに追い打ちをかけようとするのは生物の本能なのだろうか。先程までは1本ずつしか飛んでこなかった触手が、さらり目掛けて何本も伸びてくる。短い包丁で懸命に切り付けながら、ルイはこちらを見ずに問いかけてくる。


「だい、じょうぶ」


 大丈夫じゃない。右の脇腹がずきずきと痛み、押さえた手のひらにぬるりとした感触がある。見るのが怖い。出血しているかもしれない。

 踏ん張ると痛みが強まるので、そっと体を起こして立ち上がる。あまりの痛さに膝が震え、太腿まで震えが伝わる。


「【水魔法】使うよ!」

「おっけ!」


 ルイは一瞬だけさらりの位置を確認し、すぐレインジェリーに視線を戻した。その様子を見てから、さらりは再生点に向かって【水魔法】を放つ。問題なく当たり、また触手は1本消える。


(大丈夫、やれる)


 やらなければ死ぬしかないのだ。たとえ生き返るとしたって、死を経験するのは嫌だ。ルイに死を経験させるのは、もっと嫌だ。


(……痛い)


 脇腹が、ずっと熱を持っている。痛い。痛さが狙いをぶれさせ、【水魔法】の精度が明らかに落ちる。1本消すのに、さっきの倍以上の時間がかかっている気がする。


「さらり、泳いだぞ!」


 レインジェリーは傘を膨らませ、またふわりと移動する。さらりたちの後方だ。向きを変えなければならないが、すぐに体が動かない。足が妙に重く、力が入らない。無理に力を入れると脇腹がずきんと痛む。


「ぼーっとすんなって、こっちだよ!」

「痛いっ!」


 強引に腕を引っ張ったルイのおかげでレインジェリーの方を向くことはできたが、同時にびりびりと痛みが走る。反射的に悲鳴を上げたさらりを、ルイは驚いた顔で振り向いた。


「痛い? どうしたんだ、よ……」


 視線をさらりの腰元へ落とし、目を見開いて息を飲む。ルイが動きを止めたのは一瞬だった。すぐにレインジェリーに意識を戻し、飛んでくる大量の触手を闇雲に切り飛ばす。


「俺が時間稼ぐから、さらりは核を飲んで治せ!」

「え……え、核?」

「俺の怪我が治ったんだから、さらりのも治るだろ。いいから、とにかく治るまで核を食えって! 俺が触手の相手してっから!」

「そんな……」


 ルイだけに任せていいものだろうか。伸びてくる触手の数が増えたせいで、予備動作を把しきれていない。今も、触手を切り落とした瞬間に別の触手が伸びてきたのを、紙一重でかわしてどうにか切り落としている。

 さらりは指を向け、ルイを狙う触手の1本の再生点を狙おうとした。【水魔法】を放ったが、遮るように出てきた触手に当たって目標まで到達できない。

 それでも、繰り返せば的には当たる。そう思い、何度も【水魔法】を使った。レインジェリーに集中しすぎたのか、ルイの頬すれすれを魔法が通過する。彼はぱっ、とこちらを振り向いた。


「何してんだよ、さらり! 魔法使う前に核食えって!」

「ルイくんにひとりで戦わせるなんてだめだよ。動くのは大変だけど、魔法は使えるから」

「そんな怪我で訳わかんねえこと言ってんじゃねえ。いいからさっさと食えってば」

「でも……」

「いいから! 動けないさらりをずっと庇うより、治って動けるようになってくれた方が助かるんだよ!」


 そう言い捨て、ルイはばっさりと触手を切る。

 そっか、確かに。

 よく見ればルイは、背後にうずくまるさらりへ触手が飛んでしまうことのないよう、常に庇う位置を取り続けている。伸びてくる触手を相手するだけでも大変なのに、さらりの位置を常に気にかけているのだ。


「ごめん、すぐ食べる」


 ルイの言う通りだった。さらりは【収納庫】から核を取り出し、がむしゃらに口へと放り込む。つるんとした、少し大きな飴玉くらいの球体なのだ。やや喉につかえるが、飲んで飲めないことはない。

 こんなものいくつも食べられない、などと前にルイと話したが、夢中になればそんなこと関係なかった。ごく、ごくん。手当たり次第に核を取り出し、ひたすらに飲み込む。すぐに、腹の奥が熱くなるいつもの感覚がやってきた。腹から胴全体へ、首から四肢へ、頭までもがその熱に包まれる。


「う……」


 食べすぎたのだろうか。高熱を出した時みたいに、頭がくらくらして堪らない。耐えきれずさらりはうずくまった。頭が熱い。レインコートのフードを取り、霧雨に頭を晒して濡らす。それでも熱い。気持ち悪い。頭が痛い。


「大丈夫か、さらり! どうした?」


 ルイが何か言っているが、内容が頭に入ってこない。さらりは両手で頭を抱え、ぎりぎりと奥歯を噛み締めて不調に耐えーーそれは突然、潮が引くように止んだ。


「……治った」


 どこもかしこも、全然痛くない。あんなに痛かった脇腹も痛みがない。触って確かめると、先程までのぬるりとした感触の代わりに素肌のぺたぺたした触り心地。見れば、レインコートは脇腹の部分だけ破れ、白い肌が覗いている。


「うわー……」


 レインコートの内側には、赤い液体がべったりと張り付いている。間違いなく血だ。これほどの流血にあの痛み、かなり深い怪我だったはずだが、もうそこに傷口はない。

 血の量に顔を引き攣らせるさらりだったが、いつまでも呆然としてはいられない。とにかく治ったのだ。今すぐルイに加勢しなければ。


「ルイくん、治った!」

「ほんとか? 無理すんなよ」

「本当に治った、待たせてごめんね」


 手足が軽い。思考がクリアだ。霧雨のけぶる中で動きの追いにくいレインジェリーの揺らめきが、くっきりと見える。


「【水魔法】使うね!」


 ひとつ、ふたつ。魔法の精度が上がったようで、触手は次々に消えていく。レインジェリーが傘を揺らめかせても、その動きを予測して当てることができるようになった。先程までとは比較にならないスピードで、レインジェリーの触手が一掃されていく。


「すげえな! いけるぞ、これ!」

「あと少し……よし!」


 ルイが再生力を削ってくれていたこともあり、残り少ない触手が全て消えた。

 触手を失ったレインジェリーは傘を丸め、ふるふると震える。中央から、太い触手が2本生えてきた。触手を鞭のようにしならせ振り回す。さらりたちが一歩飛び退くと、先程まで頭があったところを凄い勢いで通過していった。


「こわ。ぶつかったら頭が吹っ飛ぶぜ、あれ」

「タイミングを見て近づいて、中央に見える核を狙う……」


 最後の触手を生み出したために中央に口が開き、そこに核が見えるのだ。レインジェリーの真下まで移動し、降りて来たタイミングを狙うか、武器を投擲するかして核を狙う。


「……できるのかな、そんなの!」


 反対から振り抜かれる触手を大きく飛んで避け、さらりは不安で表情を曇らせた。


「ちっ、配信ではあんなに簡単そうにやってたのに」


 足元を狙う触手を飛び上がって避け、ルイは舌打ちをした。ふたりとも、縦横無尽に振り回されるしなやかな触手を避けるだけで精いっぱいだ。近づいていくことなどできず、むしろレインジェリーからは遠のいている。


「くっそ、切れねえのか、これ?」


 悔しげな表情のルイが、触手に向かって包丁を振り下ろす。半ばまで刃が入ったところで触手が大きくしなり、ルイの手が跳ね上げられた。


「いって!」


 包丁が刺さったまま、触手はまた大きくしなる。唯一の武器は、触手ごと遠くへ行ってしまった。


「ああもう、何なんだよ!」

「切るならさっきの位置じゃなくて、紫と白の境目らへんを狙うといいかも」

「……何でわかるんだ?」

「何でだろ。なんとなく、そんな気がして」


 触手の先端は淡い紫であり、根元に向かって白くなっていく。そのちょうど境目あたりなら、刃が入りそうな気がしたのだ。


「切ってやりたいけど……包丁、あっち飛んでっちまったわ」

「私の使っていいよ。私には【水魔法】があるから」

「そうか? さんきゅ、借りるわ」


 ルイはさらりから包丁を受け取り、構える。鋭い目で触手の動きを見て、包丁を掲げる。

 すぱんっ。

 なんとも気持ち良く、触手が両断される。


「お! よっしゃ!」


 嬉しそうな表情を浮かべるルイ。その背後からもう一方の触手が来ていることに気づき、さらりははっとした。


「危ないよっ、ルイくん!」

「え、あ、やべ」


 今から避けても間に合わない。咄嗟の判断でさらりは【加速】し、ルイに飛びつくと両手で押して転ばせた。体に衝撃が走る。


「え、え」


 すごい勢いで景色が回転する。自分の腰に巻きついているのは、半透明の太い触手。レインジェリーに捕えられたのだ、と気づいた時には、目の前に本体が迫っていた。

 クラゲの傘の中心には、捕食のための口がある。さらりが運ばれた先には、うぞうぞと細かな触手が生えた嫌な感じの口が待ち構えていた。


(食べられちゃう! どうしよう!)


 慌てる間にも、口が大きく開く。その奥には核が見えるが、さらりの両腕は変な角度で触手に固定されてしまい、核を狙うことができない。

 どんどん口が近づく。周囲に生えた細かな触手がうぞうぞと肌をくすぐる。頭から口の中に入れられる。

 死を予感したとき走馬灯が走るというのは本当らしい。脳内で、今までの記憶が同時多発的に蘇る。一瞬ひらめいたテッポウガエルのイメージに、さらりは目を見開いた。


(あっ、口! 口から出せるかも!)


 そもそもテッポウガエルは、口から水を出して【水魔法】を使っていた。頭はもう変にぶにょぶにょしたレインジェリーの口に飲み込まれている。考えている場合じゃない。頭をぐりんと回して上を向けば、核のほうにさらりの口は向く。

 一撃で仕留めないと、このまま食われて終わりだ。


(とにかくなんかすごいのを!)


 そう思いながら【水魔法】を念じる。


「おっ?」


 次の瞬間、さらりの体は空中にあった。そして落下。


「わああああ」


 それなりの高さから地面にべちゃりと叩きつけられたはずだが、痛みはあまりない。怪我をしていないか確かめつつゆっくりと膝を曲げて起き上がり、辺りを見渡して何が起こったのかを把握しようとする。

 青い空。そして、大きな虹。


「倒した……?」


 レインジェリーを倒すと、霧雨は止み空は晴れる。向こうにかかっている虹は、レインジェリー討伐の証。


「すげえな、何だよ今の!」


 歓声を上げるルイの目がきらきらと輝いているのを見て、さらりは勝利を実感する。


「やった、ルイくん、勝ったよ!」

「おう、やったな!」


 両手を挙げてハイタッチ。パチンと良い音が鳴り、さらりの胸中には達成感が爆発するのだった。

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