② 【独自権能】
お知らせ
貴方の祈りを受けて、商機にはしゃいだ
公開されました。
これを無視しても何の問題もないので。
本当に。何も問題ありませんから。
暇な時に内容だけ確認してください。
なお、今回の贈り物に対する返礼は
先程のアイスへの御礼で十分貰っている
ので不要とのことです。
言葉は丁寧なんだが、隠しようもない
マイページの
(いやむしろ何がいらないのか分かるのは助かる……でもお得意様って……?)
神によって信仰してくれる人たちの呼び方は
個性あるよ!
飲まされたみたいだから、いくら信者でも
程よい距離でいたいみたい。
前は弟子って言ってたのを、お客さん扱いに
するって言ってましたよ!
ほぐれた筋肉が重だるいが、心地いい。
(あぁ……なんとなくわかる)
そもそも神が個人に親しげに語りかけるのも、まほろでは非常な事態とは知らない
特に期限のない納品依頼を完了することで、
清掃時に拾うことの多い素材の名前や、紋を描く依頼を見るに、
(さっきのアイスクリームも、なんかいかつい名前で高そうな和食屋のデザートにあるな。味だけは教えるから、気に入ったら依頼を、ってことかな)
やり口がすこぶる商売人じみているが、
扱いもわからない【
オーダーメイド食器の報酬などは、まだ文字列が灰色がかって反応しない依頼もあるが、今後
(けど、それぞれ違う店舗でティーハウス、喫茶店、居酒屋……飲み物だけで店がみっつ、よっつ、いつつ……手広すぎでは?)
おいしいものにとっても詳しいよ!
人気だったから、信者がアレでも存在だけは
できていましたし!
神様同士でもまほろポイントのやり取りは発生するらしく、
とはいえ新しく【
灼熱に炙られようと、吐息も凍りつく極寒だろうと、完璧に過ごしやすく整えるこの【
なんと類似【
生前は本気で心地よさを追求して遊び歩き、後に神として求められた
過酷な修行を乗り越えることを是とする人神には決して生まれ得ぬもので、人の不快と限界に疎い自然と観念の神々には尚更に稀な【
この【
なんとか色々置き換えて理解しようと努めたが、知らない話ばっかりだ。
他にも聞かされたが、疲労と糖分が回って眠たい頭では3割くらいしか分かってない
(【
(そうか、借金がないのなら、月に一回くらいは外食してもいいのかな?)
そう思うと、ちょっとだけわくわくしてきた。
1,000円、いや、2,000円台のをそのくらいの頻度なら家計的にも許されるはず。
極力、初めて自分の給料と思えたマイページ右上の貯金額から目を逸らす。
だめだ。
少しでも調子に乗ると、すぐに思い上がるなとばかりにきっと不幸になる。
(稼いだ端から借金で吹き飛ばされたし、お金の扱いが別の意味でダメな気がする。極端に節約してこれ以上、つた様に面倒を見させたり、反動で散財しないよう、家計簿つけないと!必要な物までむやみに控えるのは、つた様に迷惑をかけてお手をわずらわせたくないし……つた様も、いつまで飽きずにいてくださるかわかんないし)
「ひゃっ……!」
ほうじ茶のグラスを弄んでいた他の黒い手が、首筋を撫でたようである。
大きなつた様は、どこに本体を置いているのかわからないけど。
右の耳元で、しっとりとした囁きを聞く。
あーあ、飽きるとか、そんなこと
言っちゃうんだ。
ちゃぷ、とかすかに湯が揺れる。
ずる、と泡を割って
無体はされていないが、妙にのしかかる圧に、ほけっと見ていた
「……それに不敬かもしれないけど、つた様とは面倒をかけるより、一緒においしいものを食べられるとか、そんな関わり方がしたいです……」
蕎麦を食べては落ちそうな頬に手を添えるつた様は、それはそれはかわいかった。
ぺむ、と自身の顔を抑えるようなポーズをとったかと思うと、もちもちと撫でられる。
やめてね、変に遠慮するの。
あたし、
やだし。
(どれだけ虚弱に見えてるんだろ)
答えは転べば骨が折れる程度に、である。
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