② 警察
訳の分からないことが起きた時、原因の判別が困難なまほろでは警察に相談するに限る。
最寄りの警察署は今日も混雑していた。
事前に予約を入れていたためか、
普段通り、身に着けていた監視デバイスの提出に合わせて、呪い、ないし誓いに関してのチェックを行われた。
どういう仕組みなのか、神の見えない
成人した際にノースキルで神の目がない
加害者側でも、被害者側でもだ。
警察も、当然捜査するけれど。
いざ裁判で揉めたとき、裁判員からの心証悪しく、疑わしいのはだいたいろくでもなきノースキル、という風潮があった。
それを狙って、冤罪をかける犯罪者も多いのだ。
彼女の潔白を、最大限証明する手立てが他にない。
「本日もご協力ありがとうございます……!問題ありませんでした!」
「お手数おかけしています」
にこやかに笑う刑事、園原
彼女の追う事件に一番近いとかで、時間の取られる監視役を全面的に請け負う、敏腕刑事であった。
この7年で、5~6件の冤罪を救ってもらった恩がある。
うち、3件ほどがもともと狙っていた犯人だったので今後もご協力を、と。怜悧な風貌に似合わず、いつもおっとりとほほ笑んでいた。
よくも得体の知れないノースキル相手に、と
就職してから7年間。馬鹿正直に監視デバイスを提出し続ける人間を疑うほど、警察は決して暇じゃない。
園原に
「さて、お電話の件でしたが、場所を変えましょう。伝えることもありますし」
聞き耳を立てる者がいる、と淑やかに口元に当てる指先は、雪に沈む松葉のような傷が多い。
「……何せ皆さん、初めて高橋さんがお連れになった
でしょうねぇ、と言葉なくうなずいた。
たん、たんたん、たん。
先程から
コンビニのおにぎり(鮭)を両手に抱え、小さな腕だけ見える神様が、最高にもの言いたげに地団太を踏んでいたのである。
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