その4.スマホいっぱいに広がる作品世界

 えりちゃんさん!!!!!


 あなたが!!!!!


 神絵師でしたか!!!!!(五体投地)




【舞台で言えば書き割り】

 配信時に使用される背景が、その枠の雰囲気を決める大きな要素になることは、ユーザーの方であればお分かりいただけると思います。


 雑談、歌、恋バナに人生相談。私が(たまに)やる朗読や、本作のような声劇に当たる作品等々。


 背景のイラストというのは、いわばその配信のコンセプトをダイレクトに伝える役割を担っており、本作では舞台演劇で言う所の「書き割り(舞台後方の背景の絵)」の役割を見事に果たしていたと思いました。


 開幕と同時に映る幻想的な図書館の絵、暖かさを感じる村の絵、音楽が消えてしまい色味がくすんでしまった街並み、美しくも不気味な夜の森、音楽の復活と、祭事の盛り上がりを伝える景色など。


 リスナーを物語世界にぐいぐいと引き込ませるこれらの絵には、もはや魔力すらこもっていたのではないかと思います。




【私のノスタルジー直球真ん中どストライク】

 私がこれほどえりちゃん氏のイラストに熱狂した理由を述べるには、私の子ども時代を語らないといけません。


 そもそも、私が4月の #S24H の時、上演当日に『Con:Fine』の存在を知り、聴きに行ってみようと思わせてくれたのは、えりちゃん氏のイラストだったのです。


 うるうさんのRTで本作の存在を知り、「なんかスゲーことが進行してるっぽいぞ。しかも今日やるらしい」と興味をそそられ、予告映像を見た瞬間に私の心は鷲掴みにされていました。


 子ども時代、海外のファンタジー作品に触れることが多かった私は、他の同年代の子ども達と同じように、J.K.ローリングの『ハリー・ポッター』シリーズに夢中になりました。日本版ハードカバーの表紙に描かれた油彩画調のイラストは、私のファンタジー世界への入り口だったと言っても過言ではありません。


 作品は数あれど、一目表紙を見た瞬間に、物語へのわくわく感を掻き立てたのは、この『ハリー・ポッター』シリーズのイラストでした。


 しかし、よもや、よもや大人になってから、あの時のようなわくわく感をまた味わえるとは。


 抒情的な音楽と共にカットインしてきた数々のイラストを見た時、私は間違いなくわくわく感にあふれ、図書室の椅子に座る子どもに戻っていました。


 そして本編が始まってから次々と現れる、繊細かつ色彩豊かなイラストの数々!


 一目見た瞬間に、私はアパートの部屋の中から、布張りの本が収められた図書館へと引き込まれ、そのまま物語の世界に没入していました。


 それだけでなく、所々に描かれている小さな遊び心。「幸せの青い鳥」や、祭事のかがり火に浮かぶSpoonの文字、火のついた背景が顔のようにも見える仕掛けなどなど、手の平の奥に見える、広い別世界の一部。


 子どもの時、夢にまで見た本の中の世界を見れた気がして、私の心はずっと歓喜の声を上げていました。

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