第3話 チュートリアルエリア?
チュートリアルエリアに移動した私は広大な自然に釘付けになった。草木の匂い、涼しいそよ風、鳥の鳴き声。
私は大きく深呼吸をした。
「うーん…いい空気!こんな世界がこの先たくさん見れるといいなぁ〜」と私はこのゲームの世界にワクワクしていた。
「チュートリアルを開始します。好きな武器を選んでください。」
ディスプレイに出てきたのは
短剣、剣、細剣、大剣等の剣系
小刀、刀、太刀等の刀系
小弓、弓、クロスボウ等の弓系
杖、メイス、ハンマー等の打撃系?
短槍、槍、長槍、ハルバード等の槍系
の5系統武器だった。
後は素手で戦う事も出来るらしい。
初期武器は系統順に
初心者用の剣
初心者用の刀
初心者用の弓
初心者用の杖
初心者用の槍
の5つだった。
私は迷ったが初心者用の杖を選んだ。
「チュートリアル戦闘を開始します」の声が聞こえ目の前に水色のスライムが現れる。
分かるのは名前の水色スライムとHP10だけ、ステータスなどは鑑定のスキルが無いと分からないらしい。
普通の初心者なら迷わず手に持っている武器で斬ったり殴ったり突いたりしていた事だろう。
目の前の水色スライムはプルプルしながら揺れているだけで襲って来ない。普通は襲われたり攻撃されたりするのだろうと私はこれがチュートリアル戦闘だと理解した。
しかしこの手のVRMMOには何かしらの隠し要素があるとお姉ちゃんが教えてくれていたのだ。私はうーん…うーん…と唸りながら五分位だろうかスライムを見ながら考え事をしていた。
このスライムは丸く半透明な身体の中に核があるタイプのスライムだった。
プルプル揺れてるスライムを更に五分位見ながら私はこんなスライムを魔法で倒したら楽しいだろうなぁ〜と考えてた。私は知らなかった、この時魔法はこのゲームで使うことが出来ないなんて。
後のアップデートで追加要素として組み込まれる予定でありこの世界には魔力と言われているものが最初から内部設定に盛り込まれていてチュートリアルエリアどころか本来のゲーム世界でも魔法はサービス開始から四時間で無い事にされていたのだから。
私は感覚が鋭いタイプの人間らしく危ない場所や人ヤバい事は自然と避けてる癖があった。その性なのか魔力をなんとなく感じとってしまっていた。
「こうかな?ファイアーボール」と右手をスライムに向け魔力を手の平から発射するイメージをした。
ピギャーとスライムは一瞬で燃え尽きドロップアイテムを落とした。
side ???
「主任!チュートリアルエリアで魔法の発動が感知されました!」
俺はその時慌てていた、なんせ開発当初剣と魔法の世界系のゲームになる予定がお偉いさんの突発的な提案で魔法の解禁が最初の大型アップデートの時になるとされてしまって内部データ上には魔法は存在するが実装されてないこともあり使える者が出るはずが無いと思っていたからだ。
「とりあえずログと映像をモニターに出せるか?」と主任がディスプレイモニターに出す様に指示をしてきた。
「は?」映し出された映像に主任と俺は言葉が出なかった。
そしてモニターを見ていた者達は頭を抱えた。
なんせ幼女がチュートリアルエリアでしかも初戦闘で使えるはずのない魔法を発動させたのだから、しかも無詠唱で。
「とりあえずそのプレイヤーにはGMアカウントから人前では魔法を使わない様にと連絡しといてくれ。あと親子さんにも連絡して丁寧に対応してくれ。」と主任から言われ俺はプレイヤーには子供でも分かる様にメールを送り、親子さんに電話をした。
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