第5話 パール・バック 「私の見た日本人」国書刊行会 より

P.195 明治時代の老獪な政治家たちは、自然への畏怖の念から来る国民の古代崇拝を利用して、天皇と自分たちの立場を固めようとした。 神々は、雨、風、海、山に宿るという信仰を貫く畏怖の念を利用して、範囲を広げ国家的生命と政治的生命にも畏敬の念が宿るように仕向け、それに成功しました。

明治時代から第二次世界大戦まで、政治家は自らの目的のために、天皇の神格化を強めて日本人のナショナリズムを極限まで拡大しました。

終戦時、天皇は神性を否定することで明治時代以降の神道の主たる基盤を破棄しました。神道は事実上国営ではなくなりました。


P.206 アイヌ民族は太陽、風、星などの自然現象を崇拝し、熊はアイヌお気に入りの神です。


P.243 体制順応は煽動政治家が現れれば、すぐになびくということなのでしょうか。過去にもそういう人物がいましたから、危険は常にあると思います。ただし、現れたのは国家主義者というよりも、因習打破を訴える煽動家でした。

日本人は個人よりも運動に動かされやすいので、危険は煽動家よりも煽動的な党派にある。

たとえば、創価学会の台頭です。

わずか数年で、仏教に近い新興宗教の一伝道者から、半宗教的、半軍事的な組織へと拡大し、今や無視できない政治勢力になりつあります。

創価学会の土台はキリスト教のように、他宗派に非寛容な仏教の一宗派です。 個人が組織への勧誘を強く働きかけますが、これはナチズムを思わせる方法であり、地区リーダー制度が組織作りに関与します。

  日本の政治関係者によれば、創価学会という狂信的宗教集団からうまく分離できれば、・・・。

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