第14話友人の証言
その後、道草がネット掲示板にて川崎拓哉について情報収集していたところ、彼の友人である男性とコンタクトを取ることができた。
男性は川崎拓哉を一人暮らししていた部屋に、一月の間泊めていたという。彼に取材を申し込んだところ、スタッフルームに直接来て取材することが決まった。
男性の名は
「二年半前かな、午後十一時に川崎が突然オレの部屋に来たんだよ。こんな時間に連絡も無いから『どうしたんだよ!お前!』って少し怒った口調で聞いたら、顔面蒼白で『頼む、少しの間泊めてくれ!』っていきなり土下座してしてきて。それで家に入れて、何があったのか聞いたんだけど、青い顔で『そのことについては、質問しないで!』って言われて、なんか悪いところから借金でもしたのかなって思って。だけど家に泊めている間、借金取りの人は押しかけてこないし、川崎も金のことは一切言わなかったね。」
「それで、あなたの家に止まっている間、川崎の様子はどうでした?」
「朝昼は普通に仕事していましたね、住んでいるところが近いので彼も職場へ行くことには困ってなかったなぁ··。ただ、夜中は別で用を足す時『ついてきてくれ』って、怯えた声で言ってたね。」
「それで、川崎の今の所在について心当たりは?」
「いやぁ、そこまでは分かりません。ある日突然、3万円と『泊めてくれてありがとう、さがさないでください』って書き置きを残していなくなりましたから。」
「あなたと川崎さんの共通の知人は、いますか?」
「いますね。」
「それじゃあ、その知人に川崎さんのこと電話で取材してもいい?」
「いいですよ。」
我々は加持さんの協力の元、取材を進めることになった。
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