第13話明かされた答え

我々はミスズさんに話を聞いた後、かつて例の団地の402号室に住んでいた川崎拓哉かわさきたくやさん(当時25歳、男性)について、調査することにした。

その時すでにドキュメンタリー撮影の準備をしていた椿のところに、アシスタントの道草が走ってやってきた。

「椿さん・・・、川崎拓哉について面白いことがわかりました。」

「何がわかったんだ?」

「見せますので、今から来てもらえますか?」

道草は椿にパソコンの画面を見せた、そこはネット掲示板だった。

「ネット掲示板で川崎拓哉について、質問してみたんです。そうしたら、みんなが『ひとりかくれんぼの川崎だろ?』というのです。 」

「ひとりかくれんぼの川崎・・?どういうことだ?」

「どうやら川崎拓哉は、YouTubeで配信者をしていたそうなのですが、その中に『ひとりかくれんぼに挑戦してみた!』というのがあったのです。」

「その動画あるのか?」

「いいえ、YouTubeで検索をかけてみたのですが見つからず・・。ネットユーザーによると、問題の動画は生配信だったようで・・」

「生配信か・・、それで川崎拓哉のYouTubeチャンネルはあるのか?」

「はい、こちらです。」

道草は川崎拓哉のYouTubeチャンネルのページを開いた。チャンネル名は『カワサキングの私生活』というどことなくダサい感じがする。内容も流行りものから旅行、大食いにホラーなど、チャンネルの趣旨が定まっていない。チャンネル登録者は255人、飛び抜けて有名ではないチャンネルだ。

「最新配信日は・・、2020年6月16日だね。」

椿は最新の動画をクリックして、動画を見た。そして動画の最後の方で、川崎拓哉はこう言った。

『来月の七月中にひとりかくれんぼの生配信を予定、生配信を見たい方はチャンネル登録よろしくお願いします!それではまた会いましょう〜、さよなら〜』

そして予告した生配信を終えた後、川崎拓哉はYouTubeの更新を止めて、失踪してしまった。

果たして川崎拓哉は、どんな恐ろしい事象を見たというのだろうか・・?

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