第11話霊能者ミスズ
監視カメラの映像と幸生くんからの新たな証言を元に、椿はアキラくんの身に起きたことを推理した。
「アキラくんはあの映像を撮影した後、もう一度団地の402号室に来て、浴槽にあったぬいぐるみを持ち出した。あのぬいぐるみにはあの男の子の霊がとりついていて、ぬいぐるみからアキラくんへとりついた。そのせいで、アキラくんは奇行をするようになった・・。」
「ぬいぐるみに霊が宿っていたなんて・・」
道草は信じられないという顔をした。
「そういうことは割とあるんだよ。これは人づてに聞いた話だけど、とあるカップルが廃墟を訪れた時、そこで彼女が髪飾りを見つけてそれを頭につけてそのまま持っていったそうだ。」
「それで、どうなったのですか?」
「それまで優しかった彼女は、突然神経質で怒りっぽくなってしまった。そのせいで彼氏と別れて、友達も離れていき、大学内で大きな事件を起こして退学になったそうだ。」
椿が語った話の通り、物には時折なくなった人の怨念や霊がこめられており、それを拾った人間にとりついてしまうという。
我々はアキラくんの身に起きたことをより深く知るために、霊の専門家のところを訪ねることにした。その専門家はミスズといい、椿と知り合いの霊能者だという。
アポイントを取り、指定の喫茶店へやってきた我々はミスズさんと会った。白いフリルつきのスカートをはいた、四十代の優雅な婦人だった。
「ミスズさん、お久しぶりです。」
「椿さん、話というのはあちら方面のことですか?」
「えぇ、実は見てもらいたい映像がありまして・・」
我々はノートパソコンに投稿者からきたDVDを入れて、ミスズさんに見てもらった。
映像を注意深く見るミスズさん、果たして彼女は何を語るのだろうか・・?
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