第5話402号室
取材を終えた我々は、翌日二班に分かれて調査を始めた。ディレクターの椿とアシスタントの道草とカメラマンの三吉は団地へと向かい、フリーレポーターの朝美とスタッフ伊藤はアキラくんへ取材をしに向かった。
椿たち三人は浜路から教えてもらった住所のところへやってきた。
「ここが、心霊スポットの団地か・・」
「ずいぶん古いですね、子どものころに住んでいた団地を思い出します。」
事前に管理人の許可を得た三人は階段を上り、四階へと向かう。DVDで見た通り、日当たりが少なくて、壁の塗料が所々剥げている。
「見た通りですね、まるで廃墟だ・・。」
「おっ、ついたぞ」
三人は402号室に到着した、管理人によるとここは三年前から空き家になっていて、部屋のなかはすでに業者に依頼して片づけたそうだ。
ドアを開けて部屋の中へと入る、見たところ2LKの部屋で今のところ何か出そうな気配はない。
「普通の空き部屋ですね・・、やはりここには何もないんじゃないですか?」
「そんなわけないだろ、ここには何かある・・」
するとカメラマンの三吉がひゃっと悲鳴を上げた。
「どうしたんだ三吉?」
「今・・、道草の背後から子どもがカメラの方を見たんだ・・!顔に血がついた子どもの顔が・・」
「ホントか?」
椿と道草はカメラの映像を確認してみた、すると道草が椿と会話している時、道草の背後からひょっこりカメラをのぞく子どもの顔があった。血まみれで笑顔が不気味な顔だった・・。
「ウソだろ・・!」
顔から血の気が引いた道草、一方の椿は何かあると確信した表情になった。
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