第2話投稿映像(2)

我々のところに送られてきた、真純くんからのDVDが入った封筒。椿はDVDを取り出してパソコンに入れた。

封筒には一枚の手紙が同封されていた、書いたのは真純幸生の兄・真純浜路ますみはまじだ。

椿は手紙を見ながら映像を見る。

映像には幸生くんと友だちのアキラくんが映っていた、手紙によると浜路は撮影者のようだ。

三人は団地の階段を上っていく、落書きや塗装が所々剥げ落ちた古い壁。年季が入った暗い団地の廊下は、昼間でも人の気配が無い不気味な印象をもたらす。

そして三人は団地の四階、402号室に到着した。

『ここが例の心霊スポットでーす、それでは潜入していきたいと思います!』

ユーチューバーのようなかけ声を出してアキラが部屋の中へ、幸生と浜路が後に続いた。

アキラが懐中電灯のスイッチをつけて奥を照らす、散らかり放題な部屋を三人はくつを脱いで探索を始めた。

「なんか普通の廃墟巡りですね。」

道草が退屈そうにつぶやく。

そしてカメラがトイレを撮した時だった・・。

パラッ、パラッ、パラッ・・・

米つぶが落ちてきたような音が聞こえた、耳を傾けるとその音は浴室から聞こえてくる。

『えっ、何今の音?』

『風呂場行こうぜ・・』

三人は浴室へ移動、カメラを回してみるも米つぶが落ちている様子はない。

そしてアキラが風呂のふたを取ると、空の浴槽にぬいぐるみが転がっていた。

『ぬいぐるみだ、でもお腹が破れてる』

そのぬいぐるみはお腹に穴が開いていて、そこから米つぶが見える。アキラがぬいぐるみを拾い上げた。

『これ、持っていこうぜ』

『やめろよ、なんか気持ち悪いし・・。』

浜路に言われてアキラはぬいぐるみを元にもどした。

そして三人が浴室を出た時だった・・・。



たくやくんみーっけ・・・!




無邪気な子どもの声、カメラが三人の背後を撮した時、そこに五歳くらいの男の子がいた。男の子は全身が鮮血にまみれ、シャツとズボンがボロボロ、目は真っ黒になりそれでいて歯を見せて笑い、三人を指さしている。

『ギャーーーーッ!!』

三人の悲鳴と乱れる映像・・、ここで映像は終了だ。椿は息を飲むとつぶやいた。

「これは、稀に見るリアルな心霊現象だ。いいドキュメンタリーが創れるぞ・・」

そして我々は、ドキュメンタリー作成を開始した。



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