第23話 はじめてのおつかい
「すらぐちゃん、ちょっとおつかい頼める?」
「いいよー。なに買ってくればいい?」
「ケチャップ」
「メーカーは?」
「デル〇ンテ」
「おっけー」
……。
…………。
~2時間後~
「たっだいま~。ケチャップ買ってきた~」
「おっそ!? どこまで買いに行ってたの!?」
「え、そこのコンビニとかだけど」
とかってなんだよ。
「いや~色々あってさ~。あ、アーカイブ見る?」
「アーカイブ? なんの?」
「お使いしてる間のボクの視界? みたいな感じのやつ」
「そんなんできるんだ」
というわけで、すらぐちゃんのお使いライブ映像を見てみることにした。
__ __
テレレレ・テレレレ♪ テッテテレレレ♪
「だーれにーもー」
「いらんいらん! セルフBGMいらんから!」
今の子に伝わらないからそれ。
「ケチャップどこで買おうかな~。あ、ファ〇チキ食べたいからファミリアマートにしよっと」
ファミマに向かうすらぐちゃん。さっそくケチャップ以外にも買い食いとかしようとしている。
「ファミファミファミ~マ・ふぁみふぁみま~」
入店音入れなくていいから。
自分のアーカイブ映像なのに無駄に編集凝ってるな。
すらぐちゃんはケチャップとフライドチキンを買って店から出てきた。
「これで普通に帰ってくれば30分もかからないだろうに」
「あ、しまった」
「ん?」
「酒買うの忘れた~。やっぱファ〇チキ食うには酒がいるよな~」
いらねえよ。
ファミマから離れてしまったすらぐちゃんは、近くにあったセブンレイヴンに寄ってビールを買って、店の前で1杯やり始めた。
「ぱくっ、チキンうま~。ごくごく……ぷは~!」
「セブンでファ〇チキ食ってんじゃねーよ!」
なんならからあげ棒も買ってやれよ!
「おい、そこのゾンビ野郎」
「ん~?」
「おっなんだなんだ」
店の前にたむろってたヤンキー達が絡んできた。あの学ランは近所の高校生か。
「おまえ、野良か? ゾンビAIが酒飲んでんじゃねーよ。通報するぞ」
「ボクは野良じゃないよ。今お使い中なんだ」
「お使い中なのにこんなとこで一杯やってていいのかよ!」
ほんとだよ。
「おい待て……もしかして、ゾンビAIチューバーのすらぐちゃん!?」
「えっあのすらぐちゃんの懺悔室の!?」
「そうだよ。こんすら~」
別のヤンキーがすらぐちゃんを知っていたらしい。
「わ~本物だ~! チャンネル登録してます!」
「握手してください!」
それからしばらくヤンキーと握手会したり、ヤンキーの悩みを聞いたりしながら酒を飲んでた。
「ありがとうございました! 勉強になりました!」
「これ酒代です! 貰ってください!」
「ども~」
それからすらぐちゃんはヤンキー達と別れて、ヤンキーから貰ったお小遣いで屋台のラーメンを食って帰ってきた。
「酒飲んだあとのラーメン、うますぎ」
「シメのラーメンまで食って帰ってきたのか……」
「ということで、はい、ケチャップ」
「ああ、どうもね」
「なにに使うの?」
「オムライス」
「やった~! ろーくんのオムライス大好き」
「酒飲んでラーメン食ってきた奴に作るオムライスは無いわアホ」
「そ、そんな~」
この後、いじけたすらぐちゃんにちゃんとオムライスを作ってあげた。
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