種を蒔くもの
1.概要
錫見原市内の女性が相次いで泡を産んだ事件の根本的要因になった怪異。種を蒔くもの自体は姿を持たないか、もしくは知覚することが難しい状態で存在している。そもそもこの怪異が持つ特性は「金子鈴美由来の怪異を増やすこと」であり、直接的に夢の補強や夢を見る脳、眼球の収集、夢を見ないものの殺処分を行うわけではない。自分以外の怪異を増やすことで間接的にその夢の補強に貢献している。このため、種を蒔くものは姿形を持つ必要が無く、寧ろ物質的な形質を邪魔とする場合もある。
種を蒔くものは主に市内の十代後半から三十代までの女性へ「種を蒔く」といった行動を行っていた。これは文字通り女性に怪異を産ませるために「種」を蒔いていた。この行為により怪異を産んだ女性や、怪異を産むことで自分自身が怪異になり果てたケースも存在していた。ただし、この怪異に蒔かれた種が女性の中で朽ちることもあり、この場合に女性が泡を産む現象が見られる。
なお、種を蒔くものは錫見原市に留まった個体がほとんどだが、一部は市外に流出している。
2.行動指標
十代後半から三十代までの女性をターゲットとして怪異の種を蒔く。種を蒔かれた女性は金子鈴美由来の怪異である黒い胎児の模倣体、大きな脳の模倣体、指、女をすりつぶすもの、牛の喉、空牛などを一定確率で産み落とす。一度種を蒔いた母体には優先して繰り返し種を蒔く。妊娠能力の有無に関わらず妊娠を忌避している女性を優先する特性がある。
明屋慈畢愎神や薬子母神の眷属である犬などには近づくことが出来ず、これらに類する怪異に妨害された場合は種を蒔くことが出来ない。
3.補足・元ネタなど
元ネタは日本神話に登場する「アワシマ」である。当初は「主人公の兄(古畑光暉の初期設定となるキャラクター)を怪異化して登場させる」といった考えからキャラクター作成が始まったが、設定構想中に日本神話の要素が増えていく過程で「アワシマ」が設定に組み込まれていった。そのため、「アワシマ」そのもののとなる怪異ではなく、アワシマを産みだす原因になる怪異として設定された。母から望まれることなく生まれるもの、父(のようなもの)から望まれた形で生まれるもの、ヒトから生まれてヒトの姿を持たないものなど、そういった要素を多分に含んだ怪異となった。
また、母から望まれて生まれたが父から望まれるような身体では生まれることが出来なかったもの、望まれても生きることが出来なかったもの、死んでいくものであった古畑香織の対となる存在でもあった。
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