大きな脳(裸の妊婦)

1.概要

 錫見原市内の温泉街を中心に現れた裸にも見える妊婦の怪異。錫見原市のアカウントで発信された「脳を吸い取られた死体」などの主な犯人である。

 元は薬子母神らが生み出した「脳を集める怪異」の一つ。本来、増殖することは無いが、金子鈴美及びあきひずさまがこれを模倣し、幾つかのコピーが温泉街を中心に発生していた。また、模倣されたものについては、温泉を伝って温泉街以外へ積極的に拡散した。

 全ての個体に共通して「眼球が集まった頭部」「むき出しになった歯」「妊婦のように膨れた腹(脳組織の集合体)」が存在する。性別という概念はおそらく存在しない。また、妊婦のように見えているだけで、妊婦ではない。

 主に温泉を辿って移動する。温泉が無い場所には入りたがらない。また、温泉で濡れている場所以外に立ち入ることが出来ない特性を持つ。これは本来の大きな脳も、模倣体も共通した特性である。

 ターゲットは主に成人男性としていた。捕獲後、頭蓋骨を歯で割り、口で脳を啜る。この脳は錫見原市の維持のために使われる。模倣体については子供を襲うことも多い。発生時間は本来昼間から夕方だが、模倣体は牛の怪異と合わせて夜にも徘徊していた。

 模倣体の一体は金子鈴美と共に守上家邸宅を襲撃した。これは守上家の敷地内に温泉が引かれていたことも要因である。この時は模倣体の身体全体を菅沼がバイクで磨り潰したことによって個体が破壊された。模倣体自体は腐った人肉のようなもので構成されるため、外からの衝撃には非常にもろかった。

 

2.行動指標

 本来の行動範囲は温泉街やその周辺など、温泉が存在する場所。主には温泉街の中を流れる鈴古川をテリトリーとする。市内に温泉が共有できるシステムが配備されてからは、それらを伝って学園都市などにも表れるようになる。積極的に主人公らを襲うことは無いが、鈴古川付近を探索中は、目の前に現れる頻度が高い。村松・文雄などは対峙した際に確率で襲われるが、菅沼・響介は襲わない。本来の個体は身体の損壊率10%で逃亡する。模倣体は完全に損壊するまでターゲットを追い続ける。なお、耳や鼻を持っていないため、小さな音や臭いには反応できない他、眼球や脳が露出しているため乾燥する場所には発生できない。

 

3.補足・元ネタなど

 薬子母神が一番最初に作った「脳を啜る怪異」として作成された怪異であり、大本のネタ元はやはり野狗子になる。元ネタ通り、死体から脳を啜る設定にしようかと迷ったが、いくら物騒で怪奇的とはいえ、東京都内でそんなに頻繁に死体が出ては困るということで、生きている人間を襲うことにした。

 事件資料で登場させる際のコンセプトは「襲うわけでもないけどジッとこっちを見ているやべー女」だった。また、「人間でもある程度模倣できる殺害方法をとる」といったキャラクター作成目標もあった。これは「錫見原市の脅威は怪異だけではない」といった恐怖と推理の多角性を保持することが目的だった。このため、当作品において一番最初に事件報道として投稿された錫見原オンラインの記事は、菅沼の手によるこの大きな脳の模倣殺人である。

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