その他キャラクター①(守上家、五頭家、五頭幹弘)

守上家

 市内の波羽神社を取り仕切っていた一家。母が宮司、娘(心寧)が巫女、父が事務長といった構成だった。心寧の父母は錫見原市が存在しておらず、明屋慈畢愎神が自分を祀らせるために呼んだのだということを理解していた。その上で、親戚関係でもあった井森誠之助と協力関係を保ち、市の運営にも携わった。また、市内にある伝承のほとんどは守上家が思案、作成したもので、ある程度は現実にも存在する伝承(薬子母神の由来や、明屋慈畢愎神と小夜姫の関係についてなど)を基にしていた。これらの偽史が明屋慈畢愎神と薬子母神、あきひずさまらによって市内の人間に刷り込まれていた。

 錫見原市崩壊後は現実にある自分達の神社へ自らの意思で戻り、日常を再開させた。なお、現実世界では宮司などの神職は副業的な部分が大きく、主な収入は複数の会社経営によるものである。


五頭家

 市内の鈴古神社の宮司と管理を行っていた一家。宮司の父と、事務長の母、中学生の跡取り息子という三人家族の構成であった。牛の神々が錫見原市に入り込んだ際、たまたま錫見原市へ呼ばれており、そのまま宮司一家として取り込まれた。その後は様々な牛の神々の祭祀を混ぜ込んだ奇妙な形の祭祀であきひずさまを祀っていた。

 現実世界では東京都内のとあるビルのオーナー一家であり、そのビルの屋上に牛頭天王を祀る社を建て、神棚などと同じ要領で祀っていた。牛の神々に見初められたのも牛頭天王に日常的に触れていたことが原因であった。また、現実世界では次男であり五頭幹弘がおり、彼だけが一家の中で唯一錫見原市に飲まれることがなかった。

 錫見原市崩壊後は自宅で目覚める。市に関する記憶は三人には一切存在せず、目覚めてすぐに泣き喚く次男の幹弘を意味も分からず慰めていた。その後はいつもの日常に戻った。


五頭幹弘

 五頭家の次男であり、家族の中で唯一錫見原市に飲まれなかった少年。五頭家では彼以外の全員が様々な重圧を抱えていた。しかし、幼いが故か、幹弘だけは何も重圧を抱えることなくのびのびと生きていたため、錫見原市に拒絶された。このことから長らく市内には存在しない状態で市の深くに眠っていた。その後、錫見原市の存在が揺らいだことと鈴美信者による呪詛が繋がりとなって呪詛の箱と共に市内に出現した。マンホール内から保護された後は、事情を理解する井森誠之助や守上家によって源夫妻に預けられた。

 錫見原市崩壊後は無事に自宅で家族と再会した。家族と共に日常に戻った後、学校の近くの神社で三本足のカラスが人間の言葉を喋っているところを目撃する。

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