工藤清正(おせわがかりにんげん)

1.概要

 明屋慈畢愎神のお世話係(飼育員)として波羽神社に雇われた青年。三浪の末に実家から縁を切られ、ようやく羽場島総合大学へ入学した苦労人として錫見原市に存在していた。大学入学後、市内のコンビニで深夜アルバイトをしていたところ、明屋慈畢愎神に気に入られてしまった。彼が出勤する度に明屋慈畢愎神がコンビニに集まるため、客に迷惑がかかるということで解雇された。その足のまま深夜の公園でやけ酒をした結果、寝言と飲み残しの酒、以前波羽神社に奉納した絵馬が、「願いを口にすること」「明屋慈畢愎神が欲しいと思ったものを奉納すること」「絵馬を奉納すること」という願掛けのルールに触れてしまった。このため明屋慈畢愎神が願いを承諾し、彼に「仕事を与える」ために自らのお世話係として波羽神社に雇わせた。

 現実世界では四浪が決まった浪人生であった。何も成せない己に嫌気が差して、夜の東京を彷徨っていたところを錫見原に呼ばれた。

 

2.パーソナリティ

 自尊心も将来への期待も無い薄暗い精神をただ浮かべたような若者。停滞した現実に対して打開策を練ることもなく、ただ状況を恨むだけの無気力さが強い劣等感を生んでいた。しかし、錫見原市の波羽神社で働く中、明屋慈畢愎神や守上家との交流によって明るさを取り戻して行った。

 劣等感さえ無ければ真面目な青年であり、コツコツと努力を重ねることができるタイプではあった。能力に不相応な目標を両親や親戚などによって設定された結果、自己肯定の方法を見失ってしまっていた。


3.補足情報

 本編中で「明屋慈畢愎神に願いを叶えてもらう方法」を実演させるためだけに作成されたキャラクター。そのため精神性などについては錫見原市に呼ばれる典型的な若者の属性を煮詰めたような設定にしている。

 また、明屋慈アカウントでコメディ感を足すために泣き上戸の設定が追加されていた。


4.錫見原市消滅後

 東京都内の実家で目覚める。錫見原市を「幸せな夢」として否定し、元の日常に戻ろうとした。だが、再び両親に追い込まれる日々の中で、「あの夢で見たように、独立したい」と考え、半ば逃げ出すように家を出た。

 その後は三本足のカラスがいる神社の噂を聞きつけ、その神社の目の前にあるコンビニでアルバイトとして働き始める。

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