井森誠之介
1.概要
井森響介の実父であり、錫見原市内に存在した錫見神社の宮司。鈴魅流れの主な祭祀を執り行い、市政にも口出しするなど、市内の三大神社(錫見神社、波羽神社、鈴古神社)の管理者の中でも一つ飛びぬけた地位にあった。なお、本人は錫見原市が響介の夢であることを知っており、その上で守上家と共に祭祀と市政の安全な運営にのみ加担するという判断をしていた。
自らが信仰する薬子母神とその眷属である犬達に頼り、響介ら子供達を影ながら守っていた。しかし、錫見原市の存続や香織の意思決定には積極的に介入することは無かった。
息子の響介とは彼の出生や幼少期の事故などから大きなわだかまりを抱えており、本編開始時にはマンションの一室を買い与えて別居していた。特に響介が左眼球を失った交通事故が尾を引いていた。その後、錫見原市での事件を通して何とか同居にまで漕ぎ着けたものの、現実に帰った後もあまり会話は出来ていない。
また、明屋慈畢愎神が生まれた要因の一端を担っており、「三本足のカラス」が神に成ったのは彼と後の妻となる守上響子が神社の境内で弔ったため。そのため、明屋慈畢愎神からは人間の中でも格別の扱いを受けている。
2.パーソナリティ
基本的な性質は、正しく「信仰」に生きる者。自らが信仰する神を持つことで、他の神や神だったものや神になれなかったものを寄りつけない強靭な精神を持っていた。
また成熟した大人として思慮深く、様々な問題を自己完結させる傾向がある。このため、他人に頼るという発想が少ない。特に子供達などの自分より弱い立場の者に対して、自らの思考を吐露することが出来ない。このことが妻の形見である一人息子の響介と軋轢を深くする要因にもなっていた。
3.補足情報
本作キャラクターにおいて最も死亡ルートが多く設定されていた。神社や祭祀の運営者という怪異に対して強靭な防護壁を持つ立場に加え、錫見原市の全貌を知るキャラクターということもあり、早期退場も視野に入れられていた。
4.錫見原市消滅後
自らの意思で錫見原市から元の自宅兼神社に戻る。境内を彷徨っていた明屋慈畢愎神を神社の眷属犬である疾風号と共に探し出し、回収した。息子たちが香織のいる病院に行くと推察し、明屋慈畢愎神と疾風号を含めた皆で病院へと向かった。香織の兄である光暉と連絡を取り、香織の看取りなどの手続きや段取りを行った。
その後は光暉の依頼で香織の葬儀を執り行った。また、明屋慈畢愎神の社を神社の境内に建設し、改めて神として祀ることとした。
香織の葬儀後はマンションを引き払った響介と共に神社で暮らす。怪異事件の調査にのめり込んでいく息子たちを見守りつつ、錫見原市に消えた人間達の後処理などを行っていく。
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