金子鈴美

1.概要

 東京都錫見原市の「材料」にして「神様になれなかった者」。錫見原市は彼女と彼女の胎の中の子が物質的なベース。市内にあった怪現象や伝承に母子の話が多かった理由の一つ。また、錫見原は鈴美胎でもある。

 錫見原市生成以前、古畑光暉が創設した互助サークルで彼の一番弟子のような立場であった。また、光暉の恋人として振る舞った時期もあった。古畑香織と友人関係になることで古畑光暉とより親密な関係になろうとした。光暉へ無限の愛を求めたが拒否され、肉体関係を持った際に得た胎児で脅迫に転じる。その行為を止めるよう、光暉の右腕であった菅沼にたしなめられるが、反省はしなかった。その後、菅沼によって排除対象として殺害される。死体は菅沼家の敷地山中に埋められた。

 錫見原市内で怪異として目覚めた後、あきひず様を取り込む。この際に頭を奪った。あきひず様への信仰と、生前の互助サークルのメンバーを中心に自らへ信仰を集める。神になれなかった者として、錫見原市の神に成ろうと画策。また、神となるために錫見原のあらゆる神の要素を取り込んだ。そのため、金子鈴美は脳を啜り、眼球を頬張り、牛のように胎を膨らませている。

 作中で香織を害したのは、錫見原市が香織の為に作られた場であることが強い理由だが、それよりも生前から彼女への嫉妬心や憎悪が強かったことの方が大きい。

 

2.パーソナリティ

 本作品での明確な「敵」となっていたキャラクター。その精神性のベースとなるのは愛欲と依存。その二つに振り回されながら嘘を重ねる虚言癖を持つ。家庭環境に問題があったのは事実であり、それが歪んだ肉体関係の連続に繋がっていた。また、加えて母親というものに強い敵意を持っており、自らの女性性を道具として使いつつも他人がそうすることを否定する。

 

3.行動指針

 基本的には時間を問わず旧鈴魅村の異界に存在し、そこから市民の中でも精神的に弱っているものに語りかけ、信者を増やす。

 時間経過で目的が増え、行動がランダムになっていく。半年経過で錫見原市内に肉体を持って顕現、市内の徘徊を始める。

 初期目的:生き返ること⇒+神に成る⇒+光暉との融合⇒+香織の殺害⇒+顕現

 また、菅沼龍平と対面した際には逃亡する。


4.補足情報

 作中で失われていることが発覚したあきひず様の首は金子鈴美が被っていた。そのため、彼女を火葬した時点であきひず様の元に戻っていた。

 また、火葬はされたものの、この際、井森響介が祈祷に失敗したため怪異としては実は錫見原市に残っている。


5.錫見原市消滅後

 消滅≒現実から切り離された錫見原市で永遠に誰かを待ち続けることになる。稀に入り込んでしまった人間を追いかけて脳を啜り眼球を貪って子を産み落とす。

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