第19話
陽気というか、人懐っこい顔をしている。
金髪のツーブロ短髪だ、つまり
陽キャだ!
周りからは「イケメン、だと?くっ俺たちの立場がァ」
「かっこいいー」「よろしくー」
と聞こえる。確かに、顔立ちも整っているしなんというか、
運動部のイケメンっぽい。実際そうだろ
「前の高校ではサッカー部でした。この学校でもサッカー部に入る予定です!」
くっ、笑顔が眩しい、なんだこれは、これが陽キャなのかこのクラスにも陽キャは居るけど、だが、それとこれとは格が違う
「そう、頑張ってね、それじゃあ加賀さんの隣の席ね」
まじか
「了解っす」
おいおい、嘘だろこっちくるなよ、まぁいい二三回顔を合わせたときより初対面の方が話せる、だって自分のこと話したりしとけば話せるし
あぁでもちょっと緊張してきたな、やっぱいやだわー
藍沢が隣の席に座る
「それじゃあこの後色々渡しますが、立ちっぱで疲れてるだろうし10分休憩ね」
休み時間になり笑顔で藍沢がこちらを向くと
「これからよろしくッ、名前は?」
「あっ加賀 友近、です。」
びっくりした、もっと愛想よくしても良かったかもしれない
やっぱよろしく位言えばよかった
「ああ、よろしくな友近、それと原木で呼んでくれ、堅苦しいのは嫌いなんだ」
と、いいながら、転校生が来た時にその転校生の席の周りに人が集まる現象が起こり
一気に囲まれていく、いい感じに話せてたのに、友達になれるかな?
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今日は学期初めだから午前授業だった、これは小学生の頃から嬉しいのは変わらないな、それにしても転校生藍沢、仲良くできるといいな
と家に帰りながら考えていた
「ただい...ま」
「おかえり、お兄ちゃん!」
扉を開けるとそこには自信が溢れんばかりのエプロン姿の穂乃香が居た
そのエプロン家にあったけなんて考えながら
現実からの思考を避ける。
後ろで扉が閉じる音がした。
事の経緯が勝手に穂乃香の口から話されていく
どうやらいつも俺がご飯作ってる事に感謝?というかそんな感じでお昼ごはんを
作ってくれたらしい、いつもピーラーで皮むきとか雑用っちゃなんだけどやらせてたしできなくは無いと思うけどちょっと心配だな
「はい、おにーちゃん。おかわりもあるからいっぱい食べてね」
と、机に促され座る。
そして、出されたのは、メイド喫茶に出される様なオムライスだった
しかもハートのケチャップ付き、メイド喫茶なんて怖くて行ったこと無いけど
あ、でもアニメの中では行った事があるわ...なんか悲しくなってきた
考えるのやめよ
「じゃあ、いただき、ます」
と手を合わせ食べようとする
すると視界の端にめっちゃニコニコしている穂乃香が居ることに気付いた。
これはあれだ、食べた後「おいしい?」って聞いてくるやつだ
だが残念だったな、俺は正直な男なんだ、不味いと思ったら「不味い」と正直に言える男だァ
まぁ、見た目はいい感じだ、そろそろいただくとしよう
あんまり時間をかけると失礼だ。
スプーンを取りケチャップがついている所をすくい、口に運ぶ
少し酸味のあるケチャップ、そして歯ごたえ(でかい)のあるベーコン、切るの難しかったのかな、それを包み込む少し甘めの卵、程よい苦みがー。
卵の裏をこっそり見てみると、焦げがよく見える。
見なかった事にしよう。そしてこの...ケチャップライス、しょっぱい、塩多くね
でも食べれなくは無いが、この量はちょっとキツイかもしれない、おかわりって全部この味なのか?だとしたらどう処理…食べればいいのかな。
「どう、おいしい?」
と、結構近寄ってきた穂乃香が聞いてくる、ここまでは予想道理だったが
一つ予想が違った、いや、予想を超えたと言うべきだろうそれは、目だ
メチャクチャ目をキラキラさせ、満面の笑顔で聞いてくる。それを見て俺は一つの事に気がついた。それは、ここで
「美味しくない、塩多すぎてしょっぱい、ベーコンは大きすぎて食べにくい、卵の焦げを隠すのはいいけど苦味になるくらいに焦がすのは好きじゃない」
と、正直に言ってしまった場合、顔をくしゃくしゃ、までは行かないと、思うけど結構泣く気がする。そこで紳士な俺はただ一言「美味しい」と、言えばいい
「あ、はい、おいしい...です」
おいバカ!なんで目を逸した、俺、それに変な間入れやがって
でもしょうがないだろ、あのキラキラで期待に満ちた目を直視し続ける事はできない
と、取り敢えず穂乃香の方を見よう
...あーよかったーめっちゃ笑顔だー
「良かった、頑張って作ったんだよー、私もちょっと食べさせてー」
といい、こちらに口を開け向けてくる
なんだろうこれは............もしかして、もしかしなくても、これは『あーん』を要求されているのではないか?いや、だって、さっきから「あー」って言ってるし...いやいやいや、お相手はあの女子高生様ですよJK。そんな簡単に間接キスさせていいのかよ
...あー、そういうことね、あれでしょ、考えてないというか気にして無いって所かな、男として見られてないってことね、ちょっと傷つくわ
そういう事、そういう事にしとこう、うん。
それに、この状態で待たせておくのは良くないな、オムライスをすくい、差し出す。
すると、思い切り良く「パクリ」と効果音が付きそうに食べた。
そして、あの笑顔は一体どこにと、言いたくなるほど、みるみる真顔になっていき、一言
「しょっぱ」
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