第9話
「じゃあ、お兄ちゃん行ってくるね」
「あ、はい、気を付けて、下さい」
こんな、イケメンに行ってらっしゃいを言って貰えるなんて(言ってない)
全国の夢女子の夢だろ、最高かよ。
なんか、怪訝な目をされた、ちょっと写真とりたくなってきた、カッコいい
『パシャ』
「な、なんで?」
呆けた顔をした
「じゃ、行ってくる」
「え、あ、はい」
扉を締め、今日遊ぶ中学の時の友達、一緒に受験勉強を頑張って上野原高校に受かった二人を待たせているハチ公前に向かう
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「お待たせ~待った?」
「いいや、今来た所だよ」
このイケメン発言をした、この黒髪ショートでボーイッシュな格好をした、高身長、整った中性的な顔をしたのは早瀬
「まりも、久しぶり元気だった?」
「遅い、シンパイシタ(小声)」
「ごめんって」
神樹とは相反して小柄で茶色い髪を長く伸ばしているのは姫野 真莉奈
顔にはまだ?というか結構幼さが残っておりそのため、妹みたいな感じで接してしまう
「あ、そういえば桐島さんのお兄さんはどういう人なの?」
「もう桐島じゃねぇ、義妹になったんでな今は加賀だ」
「そーだね、じゃあ穂乃香だ、そんな事よりお兄さんの事が気になる」
「そーだよ、ほのちゃん今日話すって言ってずっと言わなかったじゃん」
と言い、まりは頬を膨らませ、可愛らしく怒っている
「まぁまぁ、あそこのカフェで話そ」
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近くのカフェに入りそれぞれ好きなものを注文する。
テーブル席に座り今季のアニメの話を一方的に話したり、あの服がかわいいなど、話していたが、料理が来たとき話題は私のお兄ちゃんになった。
「そろそろ、教えてよーお兄ちゃんのこと」
「そうですよ、私たちだって知りたいんですから、早く話して下さい」
と、コーヒーを飲む。
神樹が男の子に興味を持つとは珍しい
「わかった、わかったって」
「写真とか見せてよ」
「はーい、これだよ、朝撮ったやつだよ」
「え、あぇぁるわあ」
「.....カッコイイジャン」
神樹は奇声を発して、見たこと無い顔してる。これがいわゆるメスの顔か、まりはなんか、小声でお兄ちゃんの事を誉めながら頼んだパンケーキを頬張ってる。
「おーい戻って、きてー」
「お、おぉ、おち、落ち着け早瀬、イケメンというのは、な、中身が大事なんだ」
「そうだ、中身がクズだったら穂乃香が心配だ」
「ところがどっこい、料理はできるし家事も全般できるそれに謙虚だし」
「.....ねぇ、ほのちゃん相談なんだけどさ、お兄ちゃんを私にくれないかな」
神妙な顔つきになり何を話すのかと思ったらなんかとてもふざけたことを言っている
「嫌だよ!?」
「なぁ姫野さん、このあと予定変更してお兄さんに会いに行こう」
「Ok」
「いいよ、私も紹介したかったし、でも人見知りなとこあるからそこ、わきまえといて」
「「はーい」」
「そういえば、お兄さんの名前聞いてなかったな、名前、何て言うの」
「友近だよ」
「友の近くなのに人見知りって皮肉じゃん」
まりが苦笑いをする
「じゃあお兄ちゃんに会いにいこー」
「「おー」」
その後やっぱり、せっかくみんなで集まったのでショッピングやゲームセンターに寄りながら帰った為、帰りは15時になってしまった。
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「お邪魔しまーす」
「お邪魔します」
「ただいまー」
「.....ん、んぅなんか騒がしいな」
と、思い眠気眼を擦りながら体を伸ばし、リビングの方に耳を傾ける
やはり、穂乃香と二人位知らない声がこの家にある
(((((((KO★WA★I)))))))
不味い部屋から出たくない、穂乃香とは良好な関係を築こうとして、頑張って話す様にしているのに、三人は無理だって。
そんな考えとは無情にこちらへ来る足音が聞こえる。
嫌だ嫌だ嫌だと思い、布団にくるまる、案の定自分をリビングへと誘い始めた
『コンコン』
「お兄ちゃん、今さ、私の友達が来てるんだけどさ、顔、出してくれないかな?」
「.....」
「いや、顔出すだけでいいからさ」
「.....」
「ちょっとでいいからさ、お願い」
扉の向こうから切実な声が聞こえる
「いや、あのちょっと」
「じゃないとずっとお兄ちゃんの写真とか撮り続けて送るよ」
ドアノブを握り少し開ける
「それは、やめて、欲しい、です」
「じゃあお兄ちゃん、まずは服着替えて、顔洗って、髪直して」
「あ、ハイ」
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