第29話 今後の計画、そして新たな章へ…?


☆とわきら キャラ紹介☆

レイヤ・コンスタン

菫の髪色、灰色の瞳。とわきらで主人公レアのライバル令嬢。聖魔力の量はあまり多くはないが、魔法の技術は一級品。

効率重視で時間や魔力消費の無駄を嫌う性格であるが、主人公のことはある程度認めている。

彼女との友情エンドも存在する。




レイヤ嬢。確かに王試験の時にはいた。成績も優秀だったしもし私がミスしていたら彼女が女王になっていただろう。その優秀さからロキと並ぶ補佐官をお願いしたのだが、断られてしまった。

そこから彼女は魔法に特化した専門の学校を開設したと聞いている。



「おそらく、女王になりたかったのでしょう。なので陛下を足止めし、聖女を破滅へ誘導し、自身が女王へ上り詰めようとしている」

「ちなみに…聖女の候補に彼女は入っていたの?」

「魔力量の差でアリナ嬢になっていますが、レイヤ嬢も候補にいました」

「…その可能性もあるのですね」


「そしてコンスタン家は植物を使った薬品づくりや生花業が盛んな侯爵家です。コンスタンのバラといえば非常に立派なものでして、貴族間では有名。アリナ嬢の話とも合うかと」

「コンスタン家は薬店を全国に展開しています。書類もその各店から提出してれば、一か所に偏ることもないでしょうね」



「今すぐ彼女をとらえましょう」

「まあまあ抑えてくださいロキ。彼女の計画だと聖女は退任されて、陛下はいまだ魔力が戻っていない状態、しかし現状は違う。彼女は焦るでしょう。そして聖女に近寄るのではないかと」


「アリナ嬢が狙われるのね」

アリナ嬢を使えなくする。それが彼女の計画の理想だろう。私はちらっとロキを見る。ロキはため息をついた。きっとアリナ嬢についてはなかなか気持ちの整理がついていないのだろう。私が命令をすることもできるけど、彼女の待つ。きっとそれも上に立つ者として必要なことだから。


「…アリナ嬢に警護を。流布に向かう際には王立の馬車で運び、スルトとノルズについてもらいます」

「これで少しは安心ね」

「焦った彼女が何もしてこなければ良いんですが…」

「それも危惧しておきましょう。ディンに言えば身を守るモノを用意してくれそうだし」

「…大量にね」

「何か言った?リュカ」

「いいえ」


アリナ嬢は修練を徹底的に行っている。このままいけば順調にゲーム通りに進んでいけるだろう。

私の魔力がゲームに追いつかなくても、今の彼女であれば聖女の任を続けてもらっても良いのではないかと思っている。

「それでは彼女が狙わないのでは?やはり早急に身柄を拘束して…」

「普段はそういう風だと思わせる。そして誘い出すのよ」

「誘い出す?」

「もうまもなく、あの時期じゃない?」






アリナ嬢の供述からレイヤ嬢も転生者である可能性が高い。

ここでゲームにない不自然な行動をすれば感づかれるかもしれない。そうすると彼女が出てこなくなりとらえるのは難しくなってくる。

貴族である彼女を容疑者として今とらえたとしても、手続きにとても時間を要してしまう。今は確実な証拠がない。可能性や疑惑が多く、状況証拠や証言。決定的な証拠が足りない。逃れられない現行犯で捕えたい。


私はとわきらのあるイベントを思い出した。


「星奏祭よ、星奏祭!」


とわきら2の恋愛強制のイベント、由来は長くなるので割愛するがまあいわゆる「夜のお祭りデート」である。

攻略対象の中で好感度が高い相手と歩き回り、最後に満点の星空の中で愛の言葉を語られる、というここでほぼルートが確定するイベントである。

その世界の皆が星を眺めるため、彼女も出やすいだろう。


「なるほど。確かに狙うのならそこですね」

「身を隠しながら彼女を尾行する。そして出てきたところでドン、よ」

「…わかりました。ではそのように進めましょう。あと二週間ほど日がありますので騎士団を中心に作戦を進めておきます」

「レイヤ嬢のことも、不穏な動きがないか見ておかなくてはなりませんね」

だいたいの趣旨が決まった。あとは具体化し来るべき日に備える。


(私も薬湯と修練で鍛えなくっちゃ)

先ほどの作戦は女王の出番がほとんどない。ロキが臣下へ伝え、臣下たちがそれぞれの役割に取り組んでいく。作戦会議は終わりを迎えた。


「それじゃあ陛下」

「はい」

「ヘイムのところへ行ってください」

「え」

ヘイムと言えば世界有数の医院。私が一度倒れた時に彼に診てもらったのだが。

「現在の聖魔力の保有量、回復状況を一度診てもらってください。それから今後のことを決めましょう、と」

なんだかとっても嫌な予感がする。悪寒というかとにかくよくないことが起きるような。

「待って、何その誰かから聞いたような言い方」

「ある人が、陛下の回復の効果を上げるように修練カリキュラムを組んでくれたようですよ」

「…えぇ」

先ほど聖女に少し意地悪した仕返しが来たのだろうか。それにしちゃあ少々ハードなような…。



「あまり無理はさせないでくださいと、釘は刺しておきますから」

「リュカぁああ」

「さ、行きましょうか。ヘイム様のところへ」

「いやああああ」


こうして女王修練編(!?)が幕を開けることになった…





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