第19話 好感度上げは恋愛ゲームに必須です。

☆とわきら キャラ紹介☆

ルドル・ミュルヴィル

光の魔導師。王都ロワンの統治を代々任されているミュルヴィル家の末裔。外から見た印象は完ぺきな上流貴族で、特に自身の民のことを優先的に考えている。貴族のあれこれを知っていて、あまり良い思い出がないため、貴族(特に令嬢)は苦手。有事の際には原因をはっきりと突き止め再発防止につとめたいので「検事の尋問」と呼ばれている。






今日はお茶会。

王城の中庭を解放し、ティーパーティーを開いた。

ロワンの有名な菓子店のお菓子が味わえるんだけど、女王という手前、満足いくだけ食べられないのがさみしい。

そして、侍女が勧めてくれた。知らぬ間にブームは去ったのか、貴族の流行は早いものだなあと思う。

今回のお茶会は最近の聖女騒動により、手間が増えた方々へのねぎらいの場ということらしい。

参加するのは属性の長たちや研究所の職員さんたち、魔導講師の方々など。


「とわきら」の攻略対象がほとんど集まっている。

久々の集合はとても目にいい。心に良い。

キラキラのオーラが見える。

イケメンの集合でしか得られないものもあるよ。

精神的に参っていても彼らの尊さに満たされるだろう。



それぞれが、王城からの誘いに快く参加してくれたのをとてもうれしく思う。

(ところで、とわきらのお茶会といったら…イベントよね)



☆とわきらのお茶会イベント☆

「お茶会では頼んだ飲み物、選んだお菓子によってお話できる人が決まるよ☆

会話が弾むよう選択していき、タイミングよく相槌やリアクションをすると、好感度アップ!

さらにゲージがマックスになると、相手から特別な会話イベントに誘われるよ」


前の王がお茶会が好きなので、定期的に行ってくれた。王主催のお茶会は貴族のあれこれがないから気が楽だと言っていたのはルドル。



(候補時代リュカ以外の人たちはまんべんなく上げてたのよね…リュカはカンストしても上げ続けたけど)





…そしてなんと今回は!

今回私は体調を考慮しながら、参加できることになった。

侍女は張り切って私のドレス選びやメイクをしてくれた。

「薄い紫のシンプルなデザインなのですが、シフォンのプリーツが入っていて陛下の優しい雰囲気が存分に表れています!メイクはそれに合わせて陛下の素敵なお顔の雰囲気を崩さないようにほんのりメイクにしています」

侍女、クロエは熱心にそう語ってくれた。着替えをさせてくれるクロエの嬉しそうな顔は久しぶりに見る。そんな様子を見られたのも、うれしいことだ。



お茶会では各属性の長達が私のもとへやってくる。私の様子を心配したり、なんだか慌てた様子だったりと様々な反応。


一番先に来たのは騎士団長だ。

「陛下、この間は大変、大変申し訳ございませんでしたぁ!」

スライディング土下座っていうのかな?それほどの勢いでこっちに来る。(スルトは悪くないし、貧乏くじひかされているのが毎度のことながら同情してしまうよ』

「陛下、本当に申し訳ありません」

それに続いたノルズも悲しそうに謝ってくる。(ノルズも同じ。私の命令に従ったまでだし)

私はそのことに関しては特に気にしてはいないし、なんならその件に関してはアリナ嬢に感謝しているところもあるので悲しく思わないでほしいけど、立場的には苦しい思いをさせてしまったんだなと反省する。



「へいか!体調は戻ったみたいだね!良かった良かった。これであとは魔力だけだね」

やってきたのはヘイム。ヘイムには倒れてすぐに診てもらってから久しぶりの対面だ。彼のニコニコ笑顔は本当に癒される(ヘイムのへいかよび、とてもかわいい)。


「何かあれば言ってくれ。早くよくなってくれなくては困るんだ」

ルドルと話すのはもっと久しい。(見には行ってるけどね)バレていないかヒヤヒヤしたけど、大丈夫そうだ。

いつもよりも優しいね。(うん。精神的な意味でもつらいよね)


「君たちよりも骨のある聖女サマが来てくれてるから退屈しないよ」

ニール様は私の様子を見た後、聖女サマについてそう言っていた。含みのある言い方や目が怖い。(個人的にはもっとやってくれと思うけど)




「思っていたことはできた?陛下」

「ディン」

「こちらは上々ですよ~」

「ヨルド」

そして彼らは二人そろって私のところへきた。

について、打ち合わせをしていたのかもしれない。


「ええ。二人のおかげよ。本当にありがとう」

私が見つけたのは手がかりでしかないし、解決策にまではなっていない。けれども動けなかった私へ動き出すきっかけをくれた。あのままだったら、ひとりさみしく待っているだけの日々だった。

二人には感謝しかない。

そして、今日来られていない地の魔導師ユーミールを含め3人を中心としたある計画は順調なようだ。

「もう間もなく、実現されるかと思いますよ」

「どうかもう少しだけ、待っていて、陛下」



「近い」

「おっと。リュカもいるんだったね。今日はやめとこう」

そうなのだ。私の後ろにはずっとリュカがそばにいた。私たちの関係を知らない人たちからしたら異様に感じるかもしれない。顔をぐっと近づけていたディンは怖い怖い、と言いながら私の前から引いていった。






「陛下、今日集まってくれた皆へ声をかけてもいいかしら」

ロキが間に入ってきた。もちろんだ。一番の功労者はロキなのだから。私は今回はお飾りでしかない。


「僭越ながら女王陛下に代わり挨拶をさせていただく。今回この未曽有の危機に陥ったにも関わらず、属性の長達を含む皆には大いに助けてもらった。おかげで陛下も今日、参加できるほどに回復できた。皆にはまだ、苦労を掛けることがあるかもしれない、しかしこの世界を救うため、陛下の塚らになってほしいと思う」


ロキは、本当に優秀な補佐官だ。こうして一緒に仕事をしているとその優秀さがよくわかる。電子化できる書類は徐々に電子化していくということになった。この世界の、王の常識に疎い私にとってロキはなくてはならない存在だ。





「ええええー!ちょっと、私を差し置いて何をしてくれてるんですかあ」




今せっかく感傷にひたってたのになんできたの


アリナ嬢!









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