第7話 黙ったままでは、後悔しそうですので
☆とわきら キャラ紹介☆
ディン
黄色に近い金の短髪でトパーズ色の瞳。ゴーグルのような色付き眼鏡をかけている。雷の魔導師。魔導エンジニア。「誰でも気軽に使える魔法」をモットーに各魔導師と話し合いながら様々な魔導具を開発してきた。人たらしで、特に女性は(本人曰く)勘違いをさせてしまうことが多くあるらしい…
電話の相手はディンだった。私の様子が気になり連絡をくれたらしい、
もともとこの通信端末もディンによる発明だ。属性の長達はみんな持っているらしい。私も自分の端末が欲しかったけど、今まで用意してもらえなかった。
(女王たるもの気軽に連絡をとってはいけないとかなんとか、とロキに言われていた。確かにリュカへたくさん連絡しちゃうかもしれない)
『よかったですね、体調は戻ったようで』
「心配かけたかしら。わざわざ連絡をくれてありがとう」
さすがモテ男。女王に対しても連絡がマメ。ディンが最推しなら惚れ直すわね。
『で、しばらく私室で療養と聞きましたよ』
「ええ。魔力のほうが戻らなくて…かなり時間を要するらしいから、休むことになったの」
体力は戻ったのだから、少しくらい自由にしてくれても良いものだけど。私が仕事をすると思っているのかな?私室から出るのをロキは許してくれない。
…正直、あのアリナ嬢を見てしまっては自分の自由が利かないことが不安になる。
リュカを信じていないわけではないが、ゲームシステムの強制力がはたらくかもしれないと思うと気が気ではない。
『陛下。
外に出たいですか?』
「…え?」
思わぬ提案だった。今の私が外に出て行動するなんて思わなかったし、いざとなったら強引な王命で動かしてしまおうかとさえ(ほんの少し)思っていたのだから。
『確かに、休養は大事です。体を休めることは常に良いパフォーマンスをするうえでとても大切ですから』
『ですが、そんなに悲しそうな陛下の声を聴くと何とかしてあげたくなるんです』
「…何か方法があるの?」
『気が早いですね。方法はありますよ。少々手間はかかりますが』
よっぽど私の声は悲しんでいたのね…でも、ディン、あなた最高よ。
どくんと鼓動が跳ねた。このまま何もしないのはとても歯がゆい。
動かなくては、対策を練らなくては。
「お願いしたいわ」
『かしこまりました。ではすぐに魔導具を手配します…』
ディンも心なしか嬉しそうな声だ。もしかして、これが電話の目的だったのか。
何をされるのか、一瞬ひるんだが、たぶんこれで良いのだ。
私は続くディンの声に胸を弾ませた。
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