第6話 とわきら2オープニングとその裏側


☆とわきら2紹介~アリナ・ルル―

とわきら2の主人公である。女王に代わり、魔力を流布する聖女として命を受ける。

大きな商家から最近貴族(男爵)に成り上がったルル―家の一人娘。ピンクベージュのゆるいウェーブのかかったセミロングヘアに深い緑色の瞳、陶器のような白い肌、唇はかわいらしい明るい桃色。

男性へ免疫があまりなく、手をつなぐだけでも極度に緊張する。



「むう…まさか任命の儀式まで休みとは…」

私室での生活も3日になった。補佐官ロキや研究所は力を尽くし、女王の代役を任命した。

代役では少し外聞が悪いため、便宜上「聖女」と名付けたというのはロキ談である。


体力はだいぶ戻ってきたが、魔力については芳しくはなく。

(まあストーリー上では私がいないほうが進みやすいんだろうけど)

ゲームでは聖女の任命式にはレアが参加していたが、今回はロキおよびリュカにも、止められてしまった。

まあ良い。私にはコレがある!


玉座が映る映像機器!この日までに設置してもらったのだ。


入口が見えるものと玉座から見えるもの、2つ設置してもらった。

大理石の床に深い赤の緞帳。端には金の装飾があり、窓辺にある玉座は空席。その横にはロキがいた。公的な儀式を行うときに使う部屋である。



「聖女、アリナ・ルル―よ

女王に代わり任命します。聖女として世界のために尽くすように」



(ふああああああああ!

これは!とわきら2オープニングスチルと同じ画角!属性の長達に囲まれての任命シーン!スチルでいえばロキのところにレアがいるんだけども!ロキ美しい!これバージョン違いで男性ロキもやってほしい!そしてうつむき加減のアリナちゃんかわえええええ)


全体が映るところでとお願いしたけど。まさか現世の自分がゲームみたいな体験ができるとは!

……いけないわ。少し脱線してしまった。


ここでアリナちゃんが「謹んでお受けいたします」と言って、BGM永久の始まりが始まる…

(この音楽を聴くととわきらの世界が戻ってきた、って感じがするんだよなあ)


あのシーンが再現されるのかと凝視した。

しかしアリナちゃんが動かない。

…モニター壊れたかな、そう思った時だった。


「わ、わかり…ました…」

(…ん?セリフが…)


モニターのアリナちゃんはゲームのスチルで見た凛とした表情とは違い、あたりを見回して不安そうな表情を浮かべている。


(様子が、おかしい)

「よろしい。今日はもう休みなさい。初めてのことであなたも疲れています」


ロキ(レア)のセリフも励ますような言葉ではなく、体調を気遣ったようなものだった。

ゲームでみたそれと、あまりにも違いすぎる。


(…でも王城なんて、普通に生きてきたら縁がないからね。緊張していたのかな)





「では、アリナ様。こちらへ。王城を案内いたしましょう」

アリナちゃんを案内するためにリュカが呼ぶ。

(そうそう一応王立の研究所の職員だから、チュートリアルの案内役なのよね。とわきら1でもそうだったんだけどね)



「はいっ!」

ぱあああああ


不安げなアリナちゃんがリュカに声をかけられた途端に華やいだ。



(……んん??)


アリナちゃんがリュカの後をついていく。

いや、どんどんアリナちゃんが間隔を詰めていき、ほぼ並んでいる。


入り口側の映像機器に目を向けると。「かわい…」と思わずつぶやいてしまうほどニコニコ笑顔のアリナちゃんが出ていく。



(いや、これはあれだよね。慣れない環境で人一倍気づかいのできる私の推しのやさしさに心を開いただけだよね。うんさすが私の推しだわ)


いやな可能性が浮かんだが、まだ可能性でしかないと強引に納得させた。

(今までのと関係なく、胃が痛くなりそう)




いよいよとわきら2が始まった。

といってもゲーム終盤までレアは本編には出てこないし、魔力が戻るまでは心配をかけちゃうからどこにも行けない。

何をしようか…と思っていたところ、電子端末が鳴った。

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