第2話
まさか・・・の思いを抱えながら自宅に着くと、今、自分にできることはなんなのか、考え始めていた。
ただ、不安に押しつぶされるのだけは避けたかったのだ。
セカンドオピニオンが欲しいから、まずは、この検診の結果を1日でも早く知りたい。
でも、検診の結果は、毎年忘れた頃に届くイメージだ。
ならば、検診場所に連絡して、早くしてもらえるか依頼するところまでは、今、自分にできることだろう。
しかし、そういう依頼は、面倒なクレーマー扱いか?
そんな思いが、ぐるぐる混乱する頭の中で駆け巡った。
グズグズと数日思案した後、やっぱり、思い切って電話を掛けてみた。
検診で乳房にしこりが見つかった。良性で経過観察になるのか、悪性の可能性があり詳しい検査を受ける必要があるのか、次にとるべき行動を早めに知りたいので、検査結果を通常より早めに教えてもらいたい、と。
今、とても不安であることを伝えた。
結果、電話口での対応も、その後の迅速さも、誠意あるものだった。
早めにカンファレンスを行い、セカンドオピニオン用に、検査結果をマンモグラフィー画像とともに送付してくれるという対応を取ってくれたのだ。
そして、送られてきた検査結果には 「悪性の疑い・要再検査」 と表記されていた。
覚悟はしていたはずなのに、落胆した。
そして、「疑い」の部分に、多少なりとも希望をしつこく抱いていた。
「確定」じゃないと。
振り返れば、そう強く思っていたのは、夫だったかもしれない。
次に自分のするべきことは、何なのか。もう分かっている。
当然、乳がん専門の病院を探すことだった。
既に、PCで検索して数軒の病院をピックアップしていたので、そこから選んだ。
誰かにオススメの病院を教えてもらいたかったが、今の自分の現状を知られたくなかったので、自分で探して、自分で決めた。
通いやすさ以外は、何の根拠もなく写真の医師の笑顔に賭けて、選んだ。
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