第5話 偽りの告白

修学旅行の2日目が終了した。


僕たちが泊まったホテルは、とても綺麗で広くて、素敵なところだった。


僕は、好きな人を、誰もいないテラスに呼び出した。


「僕は、あなたのことが好きです。

付き合ってください。」


テラスは暗く、空気はひんやりとしている。


「気持ちは嬉しいけど、ごめんなさい。」


彼女は、うつむきながら言った。その声は、嫌になるくらいはっきりと聞こえた。


■■■


昨日、告白を断った彼女は別のクラスだったからか、

修学旅行の最後の1日は、僕は彼女を見かけることはなかった。


■■■


お土産屋さんでお土産を買い、僕たちの修学旅行は終わった。


僕は、告白は失敗したけど、

両親と姉と弟の分のお土産も買えたし、


修学旅行の思い出話をする相手がたくさんいて、不幸ではないと思った。

(もちろん告白したことは内緒)


帰りのバスの中で、僕は、

いつものように弟が出迎えてくれる姿を想像した。


いや、いつもよりもっと元気に迎えてくれるんだろうな。2日もいなかったんだから。


なにせ、僕のことを1番思ってくれてる弟なんだから。

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