第2話 弟

■■小学4年生■■


僕の仲間なんか、どこにもいないと思った。


だから、両親に一生のお願いをした。


「弟が欲しい」


『無理』


一瞬の出来事だった。


実際には色々な理由があったのだろうけど、

少し考える素振りを見せて欲しかった。


自分が愛情を注げる存在を欲していた。

でも……

私は孤独の奈落へ突き落とされた気がした。



■■中学1年生■■


ヒナタとは、だんだん話すようになってきた。

そして、休みの日にお互いの家に遊びに行くまでの仲になった。


「ヒナタはさ、兄弟いるの?」


「いるよ!姉と弟が」


「いいなー。羨ましいよ。」


「そう?ひとりっ子もいいと思うけど。」


そして、学校生活の中でそれぞれの友達も増え、賑やかになってきた頃、僕の家のポストに手紙が届いていた。

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