第12話 俺最大の欠点!そんなバカNA☆
「もしかして……俺から逃げたのって、俺が鼻をすすっていたから……?」
「……うん、ごめんね」
「良かった……嫌われているわけじゃなかったんだ。安心した」
もし嫌われていたらかなりショックだっただろうな。
鼻すすりが原因なら、解決策はある。
「じゃあ次から鼻をかむようにする。かむことができない状況なら鼻にティッシュ詰めとくよ」
「本当?だとしたらすごく嬉しい!そうしてほしい」
急に明るいな文面になったな。
よっぽど直してほしかったんだろうなぁ。
「わかった、じゃあそれがちゃんとできるように頑張る。完全にできるようになるまでは、LIMEでやり取りをするけど、もしできるようになったら、今度は会って話したいな」
「もちろん、約束するよ」
ひとまず会う約束はできた。あとは俺が頑張るだけだ。
今まで花粉症っぽい?っと思ってたけど、まともに考えたことがなかった。
一度病院に行ってみるべきかもしれない。
その後LIMEでのやり取りを終わらせ、家族に病院に行くことを相談してみることにした。
「お母さん、今週の日曜日に病院に行きたい。花粉症みたいなのが最近悪化してる気がする」
「それは大変ね。わかったわ行ってみましょ」
「ありがと」
これでやることはやった。あとは鼻をかむ習慣をつけることだな。
今までもたまにかんでいたが、今後はもっと頻度を増やさなきゃな。
それにしても、ここ最近色々なことがあったな。
トイレで泣いていた女の子は誰か探そう頑張ったことがきっかけで、
俺の青春ライフが充実した気がする。ただその分色々なことがありすぎて、
ちょっと疲れてしまったかもしれない。まさか女の子と仲良くなろうとするために、
自分の病気と向き合うことになるとは思わなかった。
何気ない行動が人に迷惑をかけている場合もある、ということだ。
俺は何としてでもあの女の子を救ってあげたい。
あの苦しい生活から解放してあげたい。
あの子の笑顔をしっかりと見たい。そのために俺は明日からまた頑張るんだ。
そして明日を迎えた。今までと変わったこととして、
授業中に頻繁に鼻をかんだり、ティッシュを詰めたりするようになったことだ。
確実に俺は努力をしている。そういう実感があった。
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