第10話 俺の意地の作戦!成功させたいYO☆

ん……?待てよ。


このLIMEのやつ、うまくやれば白川とお友達になることができるのではないか?




題して、「LIME交換大作戦」だ!


明日はこれでお友達になっちゃうもんね!




いい作戦を思いついて若干テンションが高くなっている俺は、


そのまま家に帰宅した。


ちなみに家族には、うまく話しかけることができていないと言っておいた。


多少笑われたが、それでもめげずに俺は頑張っている。そして次の日を迎えた。




再び白川を見つけた俺は、声をかける。




「白川さん!お話しよう!」




するとまた去ろうとした、しかし今回の俺は一味違う!




「対話が無理なら、せめてLIME交換しない?」




相手は立ち止まり、少し考えた後……




「うん……いいよ」




やった!作戦成功だ!


俺は一歩進んだという実感がめちゃくちゃ湧いた。


俺たちはすぐにLIME交換を済ませ、




「じゃあ後でLIMEでやり取りしような!」




「うん」




LIMEでやり取りをすることになった。


家に帰った俺は、早速自室に行きLIMEを開いた。




「こんにちは、白川さん」




まずは挨拶を送ってみる。




「こんにちは、いつもすぐ逃げてごめんなさい」




記念すべき最初のメッセージが逃げたことへの謝罪とは……


本来正しいのかもしれないけど、ちょっとなんか期待していた分……まあいいや。




「いやいや大丈夫よ。それよりお話しようよ」




「うん。何を話すの?」




話の話題か、そういえば何も考えていなかった。


まあ最初だし、相手のことを質問してみるか。




「趣味とかある?」




「本を読んだりすることかな」




「そっかー、ちなみに俺はゲームね」




よしよし!いい感じにお話できてきたな。


この調子でどんどん話をしていくか。


と思ったその時、相手から予想外のメッセージが来た。




「……ねえ佐々木君。助けて……」




「……!」




突然の助けて!に俺は一瞬気が動転した。


一体何があったんだ!と不安になる。




「どうした!何かあったのか!」




「……私ある病気が原因で、ずっとトイレにこもっているしかなくて……、このままじゃ行けなってわかっているのに、どうすることもできなくて……」




白川は突然俺に悩みを打ち明けた。


頼られて嬉しいという気持ちもある反面、なぜ俺なのだろうという疑問もあった。




「佐々木君が話しかけてくれた時、私は嬉しかった。だけど病気のせいでその場で話すことが難しくて、逃げてしまった。本当にごめんね……」




「それについては大丈夫。それでそのことなんだけど、俺で良ければ悩み解決に協力するよ」




つい勢いで言ってしまった。だがせっかくここまで来たんだ。


白川の悩みとやらを解決してあげたかった。




「ありがとう」




「ちなみになんだけど、何の病気なのか?は教えてくれるかい?」




ちょっと踏み込みすぎたかなと、文字を打った後に思ったが、


相手は特にそんなことはなく、病名を書いてきた。




「"ミソフォニア"、っていう病気なの」

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