第8話 あの子の特定に挑戦!俺本気だYO☆ 後編

「そう、それで約束してほしいことの内容だけど、今から話すことは、絶対に他の生徒にしゃべらないようにしてほしいんだ。これを誰かに話すと後々トラブルになる可能性が高いからね。約束できるかい?」




「…………」




誰かに話してはいけない内容、そんなに重い話なのだろうか?


もしかしたら俺が思っている以上に、深刻な問題なのかもしれない。


これはもしかして、母が言ってた触れちゃいけない話という物なのだろうか?




少し不安になってきたが、それでもあの子を助けたいという気持ちは変わらない。


俺は意を決して聞くことにする!




「はい、約束を守ります」




「よし。それじゃあ話していく。まずその子の名前は「白川 みく」っていう。2-1にいるよ。半年前から本人による申告で、トイレにこもるようになったっきり、授業に出なくなってしまった」




「そうだったんですね……」




白川 みく。この子が俺が助けたい相手!ようやく名前を知ることができたぜ。


この調子でどんどん情報を聞き出してやるぜ!




「ちなみになんですが、その子は昼食とか登下校はどうしているんでしょうか?」




「昼食は予めトイレに持ち込んで食べているんだと思う。登下校については皆と大体同じ時間にしているみたいだ。ちなみに部活には入ってないみたいよ」




「そうだったんですか……」




だとしたら登下校のとき、俺にも会えるチャンスがあるってことだな!




「情報ありがとうございます。ちなみにその子の顔写真はありますか?」




「顔写真ね、今持ってくる」




数分後……




「持ってきたよ。これが顔写真だ」




俺は顔写真を確認した。


その子は赤いメガネをかけている美人な子だった。この子が一体どうしてトイレにこもるようになったのだろう……と不思議になる。




「ありがとうございます!」




「その子が一日でも早く、授業を受けられるようになるといいな」




「そうですね。でもあまり無理はさせたくないという気持ちもあります。まずは話しかけてみようと思います」




焦らず一歩ずつ……この子に確実に近づいて見せる!




「今日はありがとうございました。これで失礼します」




「お疲れ様、頑張ってね」




「はい!」




こうして進路相談室を去った。


これであの子に話しかける準備ができた。いよいよ明日から実際に話しかけてみることになりそうだ。あの子を傷つけないように慎重に頑張らないとな。

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