第6話 あの子の特定に挑戦!俺本気だYO☆ 前編

相談をするなら、やはり担任が一番いいだろう。


そう思った俺は、早速職員室へ向かった。



「失礼します。山田先生いますか?」



この山田という名前が、担任である。



「おお剛じゃないか!どうしたの?」



「今相談できる時間、ありますか?」


なんとしてでも、あの子のことが知りたい!


そのために担任に時間を作らせる。


「うーん……今日の放課後でどうだい?」



「はい!大丈夫です。場所はどこにしますか?」


「進路相談室にするよ。今日は誰も利用する予定がないから」


「わかりました。よろしくお願いします」


「失礼します」


よし!これでひとまず相談のお願いをすることができた!


あとは放課後になるのを待つだけだな。


そして昼休みが終わり、午後の授業が始まった。


だが放課後の相談のことに意識が集中しており、授業にあまり集中できなかった。


それでもなんとか授業を終わらせ、ついに放課後となった。


俺はまっすぐ進路相談室へ向かった。


「失礼します」


「どうぞ、そこに座っていいよ」


俺はイスに座る。


「それで相談内容とは?」


「実はある生徒と一度話をしてみたいのですが、名前がわからなくて……教えてもらえませんか?」


「ふむふむ……ちなみにその子は何年何組で、性別は何かな?」


「それが……わからないんです」


「わからない?」


「はい、その子はずっとトイレにいて、女性なのはわかるのですが、そもそも同級生かどうかがわからないんです」


「そういうことか……、ってかよく女性トイレにいるってわかったね」


「俺がトイレにいる間、泣き声が聞こえたものでして、それでわかりました」


「そうか、普通は相手のトイレの泣き声とか聞こえないはずなんだが、それについて調べてみるか」


まずい!なんとか止めないとその子の状態を確認できなくなるかもしれない!


「あの!それはできれば、その子の問題が解決するまで待ってもらえませんか?」


「もちろんそのつもりだよ。ひとまず事情はわかった。ひとまず明日の放課後までに、2-1と2-3の担任に聞いてみるとするよ」


「ありがとうございます」


「もし2-1や2-3の子じゃなかったとすると、これ以上のことはできないかもしれない。そのことはわかってほしいな」


「はい、大丈夫です」


「それにしても、1つ聞いていいかい?」


「なんでしょうか?」


「どうして、その子のことが知りたいんだい?」


「それは……ですね」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る