第4話 作戦の想定外の壁!壁厚すぎるYO☆

5分……10分と待ち、複数人の女子が出入りしているのを見て、あることに気づいた。


そもそも俺は、その子の顔を1度も見ていないのである。


恥ずかしながら俺は陰キャと呼ばれる部類に入っていて、


一緒に弁当を食っている友達ともう2,3人ぐらいしか友達がいないのである。


そのため他の子の顔とか名前とかはあまり覚えていない。




とにかくこのまま張り込んでも女の子が誰かわからない以上意味はない。


ただ今もトイレにいるのかを確認するため、トイレの出入りが止まった後、


俺もトイレに入ってみることにした。


個室に入って泣いているかどうかを確認してみる。




泣き声は……聞こえない!


ということはトイレにいないということだろうか?


不思議に思った俺は、他のクラスの教室を覗いてみることにした。




2-1は一人いない、2-3は全員いる様子だ。


つまりもし同じ学年にいるのであれば、2-1の人ということになる。


そしてその2-1の子がお休みでないのであれば、今でもトイレにいるということになる。


もしかしたらまだトイレにいて、泣き止んでいたから声が聞こえなかっただけかもしれない。


俺は仕方なく一旦自分の教室に戻った。




「おうおせーぞぉ!どこ行ってたん?」




「ごめんごめん、ちょっとした用事があってな」




その後いつものように、日常を過ごし学校を終えた。


そして放課後、このまま家に帰ってもいいかなと思ったのだが、




「なあ今暇?俺お前に話したいことがあるんだけど」




「……?どうした?」




「最近お腹の調子大丈夫か?昨日と言い今日と言い、長い時間トイレにいたよな?」




「まあ最近腹痛気味でな、気にしなくても大丈夫。学校を休むほどひどくはないから」




女の子を調査するため、って言ったらいくら友達でもドン引きされそうだ。


俺は嘘をつき、この場を乗り切る。




「そっかぁ、一緒に食べたかったものがあるんだけどなぁ、まあ治ったら教えてくれよな!」




「わかった」




無事やり取りも終わってそろそろ帰ろうかと思ったが、


最後にもう1度トイレに入って確認してみることにした。


泣き声は……聞こえない。


やはり泣き止んだか、既に帰った可能性があるかもしれないな。




今日の所は一旦諦めて家に帰ることにした。


それにしてもこの問題、一度家族に相談してみるべきだろうか?


悩みながら俺は家についた。

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