第2話 トイレのあの子が頭から離れないYO☆

それにしてもあの子は一体何だったのだろう?


なぜ泣いていたのだろう?


トイレに入るというよくある行動が、俺に謎を与えてくるとはな。




そのことがずっと頭から離れず、残りの午前の授業はいつもより集中できなかった。




「剛ー! お昼だぞー!」




「…………」




「……おい剛!聞いているのか?」




「……! ああ悪い悪い、昼だな。食べようか」




あまりにも考えすぎていて、周りが見えていない状態になっていた。




「いやーしかしよぉ……最近」




俺はなんとか平常心を保ち、三上との会話をした。


午後の授業をなんとかこなし終えた俺は、家に帰ることにした。




「ただいまー」




「おかえりー」




「ちょっと剛~これどうやってやるのー?」




こいつは"佐々木 愛華" 俺の1つ上の姉だ。




「悪い。今はちょっと無理だわ」




「えーー!」




俺は急いで自室へと向かった。


そしてあの子のことをどうしようか?一人脳内推理タイムを始めることにした。




あの子はそもそも何年何組なんだ?


まずここから調べてみる必要がありそうだ。まずは俺のクラスの人なのかどうか?ここから調べてみることにしよう。


俺的には同級生だと思っているが、何らかの事情であえて異なる階層のトイレを使っている可能性がある。もしこれが事実ならいじめられているということも視野に入れなきゃならないな。




あとはなぜ泣いているのか?さっき言ったようにいじめられているのが理由だったのであれば、


頑張って救ってやりたい。だが問題はいじめ以外が理由だった場合だ。


いじめ以外の理由だとしたら……一体何が原因なんだろうか?


単純に授業が嫌でさぼっている……?決してないとは……


いや、さすがにこれはないだろう。あの涙の説明がつかなくなる。




とにかく……あとは実際に明日行動してみるしかなさそうだ。


まず明日は、同学年のクラスを全て調べて、どのクラスが何人欠席しているのかを確かめなければならない。もちろん俺も授業に参加しないといけないから、このやり方を明日考えないといけないな。




こうして明日の計画を立てた俺は、いつも通りすごし、そして明日を迎えた。




歩いて徐々に近づいていく正門。


ここからは戦いだ、あの女を救う……な。


何が俺をここまで駆り立てるのかはわからない。


もしかしたら偽善者になるのかもしれない。


だがこのままにしておくわけにもいかない。


俺は正門を抜け、教室へと入った。

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