第163話 欲を満たす時間。
柔らかいお布団でぬくぬくとぐっすり寝れて、スッキリ起きれたリンです。お布団は偉大。
〈おはようディア〉
〈おはよう。よく寝れた様だな〉
〈うん、すっきりさっぱり〉
〈それはよかった。〉
ただお部屋は肌寒い。冬になったら凍えるんじゃないかな、これ。暖房ってあるのかな。リビングには暖炉あるけど、あれだけじゃ各部屋温めるの難しいと思うんだけど。
まぁいいやと服を着替え、下に降りる。冷たい水でしっかり目を覚ましたらキッチンに入って朝ご飯の準備をします。
「おはよう」
「あ、フランクさんおはよう。」
珍しくまだ眠そうなフランクさん。昨日はお酒飲んでたみたいだし、疲れただろうし、もしかしたらみんな起きるの遅いかもしれない。
「ブランチになると思うから準備はゆっくりで大丈夫。」
「わかった。のんびりやってるからフランクさんもまだ寝てていいよ?」
「んーーー。そうだね、お言葉に甘えようかな。ありがとう、無理して作らなくていいからね。」
あくびをしながらお部屋に戻っていきました。相当眠かったんだね。
〈よし、お買い物行こっか!〉
〈疲れは無いのか?〉
〈うん、なんか割と元気なんだよね。〉
〈無理してないならいい。〉
ってことで、食材の買い出しに行こうと思います!お金どうするとかは一旦置いといて、作りたいものを作るためにお出かけ。
〈よし、いこう!〉
〈楽しそうだな〉
〈どうしても食べたいものがあるの。〉
食べたいというか、作りたいというか。私の中で優雅なブランチのイメージが強いあれを食べたい。
ってことでお外に出る準備したら出発。向かうのは乳製品を扱うお店。ミルクとヨーグルト、チーズとバターをたっぷり買ってお次の店。
お次はエッグをこれまたいっぱい買って、調味料を扱うお店ではちみつとお砂糖を買いだめ用にいっぱい入手。自分用もだけどフランクさんも最近よくお菓子作るからね。必要なのです。
あとはパン屋さんでパンを数種類いっぱい買って、朝市で新鮮なお野菜をいっぱい買ったらホクホクで帰ります。めちゃめちゃ楽しかった。
〈楽しそうだな〉
〈うん、ちょっと甘めのごはん作るよ。もしかしたらデザートになるかもだけど。〉
るんるんで帰ったら畑によって、ハーブと薬草を採ってから妖精さんたちに挨拶。お水出してクッキー出しておっけー。かんぺき。
〈料理しちゃうけどどーする?〉
〈リビングにいる。何かあれば呼べ〉
〈はーい。〉
よし、今日は大好きフレンチトーストです!みんなが好きかは知らないけど。食べたいんだもん。
卵と牛乳、はちみつとほんの少しだけお塩入れたらよく混ぜて、切ったバゲットを浸けておく。卵液が染みるまで放置なので、手間のかかるポーチドエッグを作ります。
お湯を沸かしたらビネガー少し入れて、ぐるぐるーっと渦を作ったら卵を落として固まるまで待つだけ。触りすぎると崩れるから要注意。
ポーチドエッグはお皿に盛り付けたサラダの上に乗っけて、このまま保管箱に入れておく。食べる時にチーズとドレッシングをかければ完成です。
バゲットをひっくり返したらまた別の作業。
今度はスープ作り。お野菜をさいの目状に切ったら塩コショウと軽くお味噌、ローレルで風味をつけてミルクで煮たら完成。ほっとするお腹に優しいミルクスープです。
あとはいっぱい食べるみんな用にガッツリ系も忘れずに。と言っても、お肉を薄く切って甘辛くショユで炒めたら、葉野菜と一緒にパンに挟むだけ。簡単なのに美味しいしお腹にたまるしお肉だし最高。
その後、いい感じにひたひたのバゲットはたっぷりのバターで焼いて、お皿に盛り付けたらこれも保管箱。かなりいっぱい焼きました。粉糖はめんどいから省略で。もしかしたら甘すぎるかもだし。
作りたい欲が大爆発した結果、とんでもなく豪華なご飯になっちゃったけど私は大満足。
〈ディアさんお腹かしてー〉
〈どんな表現だ〉
ナイスツッコミ。ふへへーっと笑ってお腹に突撃したら、もふもふを堪能。落ち着いたらそのまま本を読む。紅茶片手にゆったりした時間を過ごします。
「おはよーごめんね、ご飯作らせちゃって」
「んーん?楽しかったよ。おはよう」
10時すぎくらいにフランクさんが起きてきて、紅茶のおかわりを淹れてくれた。やっぱりフランクさんが淹れてくれた方が美味しい。
おしゃべりしてたらみんなが起きてきた。最後はまさかのレイさんでした。カルダさんより遅いのは驚き。
そろったらブランチいただきます。時間は10時半くらい。いつもよりもだいぶ遅いご飯です。
「うめぇ」
「疲れていませんか?朝早かったのでしょう?」
「わたしは全然へーき。久しぶりに思いっきりお買い物とお料理して大満足!」
「それはよかったです。後で精算しましょう。」
「はーい。」
スープもポーチドエッグのサラダも気に入ってもらえたみたいで嬉しい。
お肉サンドをガッツリ食べてフレンチトーストも美味しい美味しいと食べてもらえた。よかったよかった。
とりあえずお腹が満たされて満足げなメンバーたちと、フレンチトーストが食べれて幸せな私です。
ディアはたっぷりのお肉サンドでした。
「とりあえず昨日聞いたことやら決まったことやら何やらの情報共有からな」
「うん、お願いします。」
「まずは探索の報酬、これはフランクにも一緒に後で渡すな。ドロップ品の換金した金はメンバーカードの方に入れさせてもらった。いつもそうなんだ。」
「うん、私は全く問題なし。」
「僕も問題ないねー」
お金はあれば嬉しいけど、みんなで稼いだお金を欲しいとは思わないのでその方が助かる。
「あとダンジョンについては、もうしばらく調査して落ち着いたら一般開放される。入りたければギルドで手続きが必要になる。」
「今のところ行く予定はないよ。」
「わかった、気になれば一緒に入るから言ってくれ」
「ありがと!」
地図と出現する魔物と罠の調査を、あと数回やって安定が確認されたら誰でも入れるようになるらしい。大変だね。
「次にポーション屋についてな。場所も決まって準備も進んでる。あとひと月もあればオープン出来るだろうってとこまで進んでるから、ポーション制作を頼む。」
「瓶とかは?」
「それも安定供給可能になった。運搬納品用の箱も完成してて貰ってきてる。後で小屋に入れとくよ」
「はーい。」
「んで、こっからはナリアルからな」
「ん?」
ギルドで聞いたことの説明は全部終わり?なのかな?
「昨日父上にも報告をしまして、その際色々と荷物を預かって来たのです。後ほど確認していただけますか?」
「お荷物?」
「はい、王都の料理長から御礼やらと一緒に、食材や調味料などが大量に。」
「わっほんと!?」
「はい。リンさん宛にドッサリと。こめやぶしなど特定の食材については、定期的に送ってもらえるそうですよ。」
「すごい!嬉しい!!」
「良かったです。なのでまた新しい料理などあればレシピを送って欲しいのですが、良いでしょうか?」
「うん、送る送る、全然お手紙書く。」
「ありがとうございます。あちらの者も喜びます」
「わたしがありがとうだよー」
まさかの嬉しいお知らせだった!お米がいつでも食べれる用になればチャーハンも作りたいし、炊き込みご飯やら焼きおにぎりも食べたい。
ううう嬉しすぎる。ポーションなんていくらでも作る。みんなの好きな味の特別なのもじゃんじゃんつくろう。
良くしてくれるみんなに、全力でお返ししようと心に決めたリンちゃんなのでした。
お米食べ放題最高!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます