第162話 5日目のお昼には。

「これも採って帰る?」

「あっアジタケ!この辺にもあったんだ、採って帰るー」


ダンジョンからの帰り道、気になったものを鑑定しては採取するを繰り返してるリンです。楽しいよ。


食べれそうなきのこがいっぱいあったので、ルンルンできのこ狩り中です。秋といえばきのこじゃん?ここはもうすぐ冬だけど。


みんなも一緒になってあれやこれや散策しながら歩いたら、もう街道に出ちゃった。時間はお昼ちょっと前。


「リンとフランクとディアはそのまま帰って、家のこと頼む」

「みんなは?」


「俺たちはギルドで報告会だよー」

「あと領主様にも」


ガイトさんに言われて聞くと、双子がそろって答えてくれた。2人は地図作りもしてたから参加必須。


ドロップ品などなど買い取ってもらいたいものは丸っとカルダさんとレイさんに預けたし、お父さまに報告するならナリアルさん必須。ユシリスさんはサブマスさんだからどうやっても必須。


大変だぁ。


「遅くなりそう?」

「そこまで遅くはならんだろ、たぶん」


「美味しいごはん作って待ってるね!」

「ありがたいが、無理はするな。ゆっくり休め」

「大丈夫だよー」


ガイトさんに撫でられたと思ったら、そのままみんに変わるがわるポフポフされまくった。


アルダさんはなんでほっぺ突くのかな?

悪ノリカルダさんは反対から突かないでください。


〈ディアちっちゃくなっとこ〉

〈わかった〉


じゃれてたら門が見えてきたのでディアには小型化してもらう。よく会う門番さんにただいまの挨拶をして街に入る。ここでもポフポフされました。


「帰ってきたって感じするね。」

「それはよかったよ。帰ったら換気して軽く掃除やらなんやらするけど、リンちゃんどうする?」


「わたしも一緒にやるよ!」

「あ、昼ご飯忘れてた。屋台で何か買って帰ろうか?」


「いいね!そうしよ!」


ってことで、ガイトさんたちも一緒に屋台のご飯を買った。会議しながら食べるんだって。


お家近くでバイバイしたらフランクさんとディアと一緒に帰り道を歩く。


お家に着いたら一瞬だけ妖精さんたちに挨拶してお水とクッキー出して、すぐに家の中に入ったら窓を開けていく。


今回は数日外泊するのが分かってたから、シーツとかは洗って倉庫にしまってある。なので換気が終わって軽く掃除をしたら各お部屋のセットをしておわり。


「フランクさん売らなかったお肉入れとくね」

「ありがとー。」


ダンジョンのお肉フィーバーで集めた塊たちを次々しまっていく。探索中に食べたから減ってるけど、しばらくは買わなくて良さそうなくらいある。


あとは森の中で採取したきのこやら何やらも一緒に出してしまっていく。


今日のごはんはきのこたっぷりのメニューがいいかな。スープでも焼いても美味しいよね、きのこ。


屋台ごはんを食べたら少し休憩して、畑にレッツゴー。 


『まってたよ!』

『葉っぱだすね』

『お水まいてー』

『こっちちょっと育ちすぎ』


ふわふわ浮いてる子たちから、次から次へと言葉がかけられる。


回収してもらってた薬草やハーブを受け取って、全体にお水をまいたらお皿にもたっぷりだして、すでに無くなってるクッキーも追加で置いておく。


育ちすぎて隣に侵食しそうな枝を整えたら、ディアに寄りかかって座る。薬草の仕分け作業します。


〈明日はまた1日ポーション作りかな〉

〈好きにしたらいい。1日寝ようが文句言われんだろう〉


〈そうなんだけどさー。あ、そう言えばポーションのお店どーなったんだろ。〉

〈今日聞いてくるんじゃないか?〉


〈商業ギルドにも行くかな?疲れるだろうし美味しいごはん作らないとね〉

〈程々にな〉


お話しながら手はちゃんと動かしてるよ。


いい感じにまとまったら小屋の引き出しにしまって終わり。妖精さんはお水とクッキーで満足したらしく、葉っぱの上で遊んだり土いじったり優雅に寝たり。相変わらず自由です。


〈豚汁たべたい〉

〈トンジル??〉


〈んとね、ミソベースのお肉と野菜たっぷりのスープのこと。〉

〈また急だな〉


〈寒くなると食べたくなるんだよね。なんでだろ〉

〈作るのか?〉

〈もちろん。〉


ってことで無性に豚汁食べたくなったので豚汁作ります豚汁。美味しいよね豚汁。


「フランクさんまだスープ作ってない!?」

「おっ?おかえり。まだだよー」


「わたし作る!」

「うん?じゃあお願いするよ」


よくわからないテンションのままキッチンに突っ込んでいって、探索中に使った道具を片付けてたフランクさんに驚かれました。おめめまん丸。


そんな事気にしちゃいられないので早速豚汁。


キャロ、ポテ、オニヨンとネギを大量に切っていく。具材ゴロゴロと入ってるのが好きだから、いちょう切りじゃなくて乱切り。ちょっとずつ転がしながら角度を変えながらゴロゴロと。


切れた野菜を一旦ボウルに移して、お肉を切ります。もちろん豚肉ならぬオーク肉。


薄切りが好きなので薄くいっぱい大量に山盛り切ったら、ネギ以外の野菜をごま油で軽く炒めて水を入らたら火にかける。


「香りやーばい。お腹すくこれ。」

「なんかとんでもなくいい香りしてるけど?」

「楽しみにしててね」


お野菜がいい感じになったらお肉入れて、アクを取りつつ煮込む。これまたいい感じになったらお味噌入れてネギ入れてぶしをちょっと入れて、軽く火を通したら仕上げに少しのごま油。


「味見する?」

「今はいいや、たぶん食べすぎる。」


ごま油の匂いに勝ったフランクさんと、和食っぽい物を作っていく。とんかつとオークのしょうが焼き、きのこのバターショユ炒め。


スイッチが入っちゃったので、ノリでパンプキンサラダ(ポテサラのかぼちゃバージョンのやつ)にこれまたごまとぶしを入れて和風にアレンジ。


あれやこれや作りまくってたらみんなが帰ってきたので、順ぐりお風呂に入って夜ご飯いただきます。



「すげぇうまい…なんだこれ」

「体にしみる美味しさです」

「うまい」

「「うーまっ」」

「我慢したかいがあったなぁ」


豚汁は大人気でした。他の料理も気に入ってもらえたのか、すごい勢いでなくなった。主食がお米じゃないのが残念でなりません。次は絶対にお米と食べたい。


〈これは美味い〉

〈お?ディアも気に入った?〉


いつもはあまり汁物食べないけど、豚汁は気に入ったらしい。とんかつとしょうが焼きも喜んで食べてた。


美味しさに満たされ、お腹が満たされ、満足したのか急激な眠気におそわれた。体がお子様なので眠気には弱いです。


みんなも疲れてるので、もろもろのお話はまた明日にして食べ終えたら早々に寝ることになりました。


やっぱり疲れはたまってたらしく、ベッドに入った瞬間寝落ちた。


明日からまた街での生活。

楽しも。



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