第134話 午後の楽しい時間
お手紙を持ってお店に入ると上品なおばあさんに出迎えられた。ディアは馬車の中で待ってもらってる。一緒に選びたいんだけどお店に入ってもいいか分からないからね。
「あら珍しいお客様だこと。あなたたちはお久しぶりね、小さなレディは始めまして、
「始めまして、リンです。よろしくお願いします。肉の楽園の店主さんから紹介していただきました。」
ハイジさんにお手紙を渡すと中を読み、頷くとお皿の説明をしてくれた。どこの国からの来たか、どんな特徴があるのか、どんな柄が人気なのかといろいろ。
とってもおしゃれな食器たちは北欧風のカラフルなのもあるし、シンプルな白い食器もあった。
妖精さんたちのお水のお皿とクッキーを乗せる用のお皿、あとはディアのご飯用を数枚ほしい。お家に置いておくお水用も欲しいかも。使い勝手とかあるかな、どうしようかな。
「ハイジさん、従魔をここに入れてもよろしいでしょうか?大人しいので商品に傷をつけることはないとお約束いたします。」
「リンちゃんが真剣に選んでると思ったら従魔さんのだったのね。どうぞ、お入りくださいな。」
「ありがとうございます!」
「いいのよ、家族も同然ですものね。」
「快諾いただきありがとうございます。」
ナリアルさんが聞いてくれて、ハイジさんも快く受け入れてくれた。嬉しいね。
〈ディア、入っていいって。きてきて〉
〈わかった、今行く〉
レイさんが馬車に迎えに行ってくれて、一緒に入ってきた。ぎゅっとして一緒に選ぶ。使いやすい深さと量を聞いて探していくんだけど。
私の背じゃ見えないのもあってアルダさんに抱っこされ、ディアはレイさんに抱えられてます。2人であっちこっち見て回るのに付き合ってもらって感謝かんしゃ。
お外用は木のお皿がいいから買わず、お家で使うお水用をリビングとお部屋と作業小屋の3つ選んだ。
ディアさんは白いシンプルなお皿が好みらしく、金の縁取りがされてるのとか高級感あふれるのをチョイスしてた。
妖精さんのお水用は淡いターコイズブルーの丸いお皿にした。程よく深さもあって可愛いの。クッキー用は四角でミルキー系の柔らかい色に、縁をいろんな色が囲んでるの。
「これをお願いします。」
「お預かりします。割れないように包んでお渡ししますね。」
「リンちゃんリンちゃん、みんなでお揃いの食器買わない?せっかくならそろってるの使おうよ。」
「いいじゃん選ぼう選ぼう!ディアと似てるのの方がいいかな。何処までそろえる?」
アルダさんカルダさんが盛り上がり、みんなも乗り気らしい。今使ってる食器もある程度統一感はあるけど使えればいいやくらいの感覚でそろえたみたい。
「皿数種類とティーカップ」
「取り皿、パン、スープ、ティーカップ。あとあるか?」
「デザート用のお皿もあるといいですね、なんだかんだ全員食べますし。」
「ならせっかくだし大皿も買っちゃお。どれがいいかな〜」
双子に続くレイさんとガイトさん、種類を増やすナリアルさんにウキウキで大皿を見始めたフランクさん。おそろいのお皿を買うことが決まりました。
大きさの違う丸皿2枚と、浅いスープ皿に深いスープ皿。メインで使うのは白ベースで縁をぐるっと模様が描かれてるシンプルなやつ。
デザート皿は何を乗せてもキレイに見えるやつってことでクリーム色で縁をポコポコとした柄が入ってる可愛い系の小さめのやつ。
「ティーカップはこれがおすすめですよ。」
「わぁ、きれい可愛い」
「最近入手したばかりのティーカップです。変わった形だけれどドレスみたいで美しいでしょう?男性が使ってても違和感のない色味だしいかがかしら」
見せてもらったのはカップの足の部分が他のものより高く、ドレスみたいに広がった形のもの。色はクリーム色で落ち着いてるのに、金の縁取りと柄がおしゃれに見える。
「そちらを人数分お願いします。」
「気に入っていただけて嬉しいわ。全部包むのでお待ち下さいね。」
「マジックバッグがあるので、ある程度で問題ありませんよ。」
「そうなのね、それなら箱にお詰めしましょう。」
ナリアルさんが貴族に見える。貴族なんだけど。
途中でフランクさんが大皿を持ってきて満足してた。ディアと妖精さん用のは私が払うと決めていたのでお支払い。おそろいの方はみんなのカードでお支払いしました。
「お買い上げいただきありがとうございました。またいつでもお越しくださいね。」
「ありがとうございました。大切に使います。」
すてきなおばあ様と出会えたことに感謝して、次はこのままヘアケア用品のお店へ行きます。
ノーラさんに教えてもらったお店に着くと、クシとヘアオイルと化粧水を買って終わり。ちょっと色んな香りがして酔いそうだったので早々に次のお店。
くまさんに教えてもらった調味料のお店と、変わった食材を売ってるお店に行ったんだけど。
調味料のお店は嫌な顔をされてしまったのでナリアルさんに頼んで手当たり次第に買ってきてもらった。子どもが来る場所じゃねぇ!ってことだったらしく、ナリアルさんには普通に売ってくれた。
変わった食材のお店は行商人さんがやってるらしく、今日はいなかった。いつもいるわけじゃないって聞いてたから楽しみが後日になったってことで今日は諦めます。
「魔道具の店が数ヶ所あるんだけど、どこがいいか分からないから全部行く予定なんだけど。疲れてない?」
「うん、大丈夫だよ。ちょくちょく抱っこされてるし。」
「ならよかった。水分とってクッキーかじってちゃんと休んでね。」
「はーい。」
どんな調味料があるか気になるけど見るのは帰ってからにして、アルダさんに言われた通り飲んで食べてエネルギー補給する。
1つ目の魔道具店は入れもしなかった。文字通りの門前払いをくらいました。子どもに売る物はないとお店にも入れなかった。
2店舗目はお店に入って困惑。店主さんから向けられる視線にちょっと違和感があって。それをディアに伝えたらみんなに共有してくれて、何も買わずに即退散。
たぶん私を値踏みするような視線だった。捕まって散々おんなじように見られたから似てると思った。
3店舗目は少し奥まったところにある分かりにくいお店だった。でも店主さんがいい人で魔道具の説明してくれたり探してくれたり。
お話しがとっても楽しくて、大型の調理魔道具(ミキサー系のやつ)を買っちゃった。いつも魔法でやってるけど、あればフランクさんも使えるし便利だからね。
他にも面白いのとか、ただのびっくり箱みたいな魔道具を見せてもらって帰宅。
「楽しめたようで何よりだ。急だが明日国王様との謁見が入ったからゆっくり休んでくれ。準備はメイドとリリアナがしているから心配いらない。」
うきうきで帰って早々お父さまから驚く言葉がでました。
心配いらないことはないと思うよ?
国王様との謁見てなに?
なんで?
急すぎない?
ん???
ってことでドタバタは続くようです。
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